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逆流性食道炎ってどんな病気?その原因・症状は?治療方法は?他の病気の心配はないの?

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逆流性食道炎は最近急激に増えており、成人の1割がかかっているといわれています。

胸やけや呑酸(どんさん)など不快な症状が現れるため、少しでも早く治したい病気です。

逆流性食道炎は他の病気と似た症状を起こすため、逆流性食道炎だと思っていると違う病気にかかっていたということもあります。

それらの病気を見逃さないためにも、胸やけなどを自覚したら専門医の診察を受けることが大切です。

ここでは、逆流性食道炎とはどんな病気なのかを説明し、現在行われている治療方法をあげてみます。

  

逆流性食道炎ってどんな病気?

◆逆流性食道炎とは?

食道は口から入れた食物を、胃に送るための管で、通常一方通行です。

逆流性食道炎は、胃から食道への逆流を防ぐ仕組みが働かなくなったり、胃酸の分泌が増えすぎたりして、胃の内容物が食道に逆流して長くとどまることで粘膜がただれたり潰瘍を生じる病気です。

このため胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じます。

胃を切除した人や高齢者に多くみられますが、肥満や妊娠によって胃酸の逆流が起こることもあります。

欧米と比べると日本人には少ない病気でしたが、最近急激に増えています。

◆逆流性食道炎はどんな経過で起きるの?

胃液は、食物を消化するために強い酸性の胃酸や消化酵素を含んでいるため、強い刺激性があります。

胃は粘膜によって保護されていますが、食道は胃液に対する抵抗力が弱いため、食道に胃液が流れ込むと胃酸にさらされて炎症を起こします。

そのため、胃液が食道に逆流しないように「下部食道括約筋」という筋肉が働いています。

下部食道括約筋は、食道と胃のつなぎ目にある筋肉で、通常は閉じられていますが、食物を飲み込んだ際に開いて、食物を胃に送り込みます。

それ以外の時は、食道をしめて胃の内容物が逆流しないようにしています。

さらに、胃の内容物が逆流してしまっても、食道のぜん動運動によってすばやく胃へ戻すようになっています。

また、唾液を飲み込むことによって、食道に入った胃液を薄めて流し、食道が胃液や胃の内容物で傷つかないようにしています。

逆流性食道炎は、以下の2つの要因によって起こります。

・下部食道括約筋など食道を逆流から守る仕組みが弱まる

・胃酸が増えすぎることで、胃液や胃の内容物が逆流し、それが食道の中にしばらくとどまってしまう

◆逆流性食道炎の原因は?

1.脂肪の多い食事、食べ過ぎ

 脂肪分をとりすぎたり食べ過ぎたりすると、何も食べていない時に下部食道括約筋がゆるみ、胃液が食道に逆流してしまうことがあります。

 脂肪の多い食事をとった時に十二指腸から分泌されるコレシストキニンというホルモンの働きや、たくさんの食事で胃が引き伸ばされることで、下部食道括約筋がゆるむと考えられています。

 脂肪の多い食事は、胃酸を増やすことにもなり、それが胃液の逆流を起こしやすくします。

2.タンパク質の多い食事

 タンパク質の多い食事は消化に時間がかかり、胃に長くとどまるため、胃液の逆流が起こりやすくなります。

3.加齢

 年をとると、下部食道括約筋の働きが悪くなります。

 また、食道のぜん動運動、唾液の量なども少なくなるため、逆流した胃液を胃に戻すことができなくなります。

4.背中の曲がった人

 背中が曲がると、おなかが圧迫され、胃の中の圧力が高くなるため、胃液の逆流が起こりやすくなります。

5.肥満

 肥満の人は、逆流性食道炎の原因のひとつである食道裂孔ヘルニアになりやすいことが分かっています。

 また、お腹が圧迫されることで、逆流しやすくなるともいわれています。

6.他の病気に使用する薬の影響

 喘息、血圧、心臓の病気などに使う薬の中には、下部食道括約筋をゆるめる作用をもつものがあります。

7.ストレス

 ストレスからくる下痢や便秘は胃腸の状態を悪くします。

 その結果、胃酸過多となり結果的に逆流性食道炎を引き起こしやすくなるということもあります。

 逆流性食道炎も消化器の病気ですので、ストレスの影響を受けやすいのです。

◆逆流性食道炎のさまざまな症状とは?

逆流性食道炎では胸やけ以外にもさまざまな症状がみられます。

しかし、なかには食道に炎症が起こっていても、あまり症状を感じないかたもいます。

1.胸やけ

胃液や胃の内容物が食道に逆流すると、胸のあたりに焼けるような感じの不快な胸やけが起こります。

2.呑酸(どんさん)

 酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップがでる「呑酸(どんさん)」という症状が現れることもよくあります。

 ひどい時は吐いてしまうこともあります。

3.胸の痛み

胸がしめつけられるような、狭心症の時に似た痛みを感じることがあります。

4.咳・喘息

 逆流した胃液が、のどや気管支を刺激したり、食道の粘膜を通して神経を刺激したりして咳や喘息が起こることがあります。

5.のどの違和感・声がれ

 逆流した胃液でのどに炎症が起こり、違和感や痛みを感じることがあります。

 ひどくなると食べ物が飲み込みづらくなったり、声がかれたりすることもあります。

◆逆流性食道炎は他の病気と関係があるの?

1.他の病気で、逆流性食道炎にみられる胸やけや胸の痛みなどと同じ症状を起こすものがあります。

 ①狭心症

 狭心症とは、心臓の細胞に血液を送る血管に動脈硬化が起こって血液の供給が十分にできなくなって起こる病気です。

 狭心症の発作と逆流性食道炎で起こる胸の痛みは似ているため、安易に自己判断しないように注意が必要です。

 ②食道がん

 逆流性食道炎による食道粘膜のびらんや潰瘍と、食道がんによる食道の変化は、見分けがつきにくいことがあります。

 胸やけなどの症状がある時には、内視鏡検査や組織の検査を受けて、食道がんではないかはっきりさせることが必要です。

2.逆流性食道炎によって起こりやすくなる病気

 ○睡眠障害

 寝ると胃酸が逆流しやすくなり、胸やけや呑酸といった症状が起こりやすくなります。

 そのため、なかなか眠れない、夜中に何度も目を覚ますなどの睡眠のトラブルに悩まされることがあります。

逆流性食道炎の治療方法は?

1.逆流性食道炎の問診・検査

 逆流性食道炎の診断や治療の効果をみるために問診や検査が行われます。

 ①問診

 胸やけの診断・治療では、詳しい問診時に、今感じている症状を先生に正しく伝えることがとても重要です。

 
 ②内視鏡検査

 胃カメラを口か鼻から入れ、モニターで食道の粘膜の状態を確認する検査です。

 びらんや潰瘍がみられるか、重症度はどれくらいかが分かります。

 ③組織の検査

 食道の病変が逆流性食道炎によるものか、がんなど他の病気によるものかの区別が難しい場合は、内視鏡検査の時に病気になっている部分の組織をとって検査を行います。

 ④酸分泌抑制薬による診断(PPIテスト)

 内視鏡検査で異常がみられなかったり内視鏡検査が行えない患者さんに対して行われる診断法です。

 逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症の治療に使われるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を、7日間試しに服用して、効果があるかみるものです。

 この方法で胸やけなどの症状が良くなれば、逆流性食道炎や非びらん性胃食道逆流症の可能性が高いと診断されます。

2.治療の方法

生活習慣の改善と薬物療法が治療の中心です。

重症の場合は手術をすることもあります。

 ①生活習慣の改善

 逆流性食道炎の治療でまず大切なのは、食事、姿勢、服装など、逆流性食道炎を起こす生活習慣を変えていくことです。
 

 ②薬の服用

 生活習慣の改善だけでは症状を完全になくすのは難しいため、多くの場合、生活習慣の改善とあわせて薬*による治療を行います。

 *胃酸分泌を抑える薬を服用します。

 薬による治療を始めると、多くの場合、人によっては早いうちに症状はなくなります。
 

 ③手術や内視鏡を使った治療

 多くの場合、生活習慣の改善と薬の服用の治療で食道の炎症や症状は良くなります。

 まれに、生活習慣の改善や薬で効果がなかった時、再発を繰り返す時には、手術を行うことがあります。

 最近は、内視鏡の一種である腹腔鏡を使った手術が増えてきています。

3. 治療の注意点

症状がなくなっても、食道の炎症、びらん、潰瘍はすぐに治るわけではありませんので、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。

また、現在使われている薬では、胃から食道への逆流を根本から治すことはできないため、治癒した後に服薬をやめると再発するケースが少なくありません。

そうした方では、薬を長い間飲み続ける治療(維持療法)も行われます。

食道の炎症やびらん、潰瘍の程度が軽く、胸やけなどの症状もときどきしか起こらないような方では、症状がある時だけ服薬する治療が行われることもあります。

まとめ

逆流性食道炎はすぐさま命にかかわる病気ではありませんが、胸やけなどの症状は不快なものですし、他の意外な症状が逆流性食道炎によって起きていることもあります。

きちんと検査を受けて、他の病気がないか、確認することが大切です。

医師の指示に従って治療するとさまざまな不快な症状が改善しますし、がんなどの病気の予防にもつながります。

現在、逆流性食道炎には効果的な薬があり、ほとんどの場合は、こうした薬で症状をなくすことができます。

ただ、症状がなくなったからと自分の判断で治療をやめてしまうと、再発を繰り返すことが少なくありません。

不快な症状を改善し、再発しないようにするために、医師の指示を守って治療するようにしましょう。

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