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無垢のフローリングを選ぶときのチェックポイントは?施主とコーディネーターの立場で説明します

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出典:https://www.instagram.com/p/BP7tTMuDmId/

無垢のフローリングは、ナチュラルな雰囲気で、素足で歩くととても気持ちがいいですね。

でも、それだけでなく、傷がつきやすい、汚れが取れにくいなどの欠点もあります。

ここでは、無垢のフローリングを検討しているかた向けに、事前に確認するべきことを総合的にまとめてみました。

無垢フローリングを選ぶときのチェックポイントと最終決定するときの判断基準について解説しますので、参考にしてください。

  

無垢フローリングを選ぶときのチェックポイント

◆デザイン性

大きく分けると、伝統的か現代的か

        洋風か和風か

        カジュアルかラグジュアリーか

        シンプルかデコラティブか

  ということになります。

 ○イメージ

 どんな雰囲気にしたいのかをさらに細かくイメージします。

 下記の分類にこだわらずに、お気に入りの住宅の写真を集めておくといいでしょう。

 よりイメージがはっきりします。

 ・クラシック

 ・カントリー

 ・ナチュラル

 ・カジュアル

 ・ジャパニーズモダン

 ・スタイリッシュモダン

 ・モダンクラシック

 ・ビンテージ 

 ○色合い

 ・ナチュラル

 ・ダーク

 ・ミディアム

 上記のイメージとも関連してくるのですが、色は大きなポイントになります。

 年月がたつとともに色は変わっていきますが、その経年変化も含めてどんな色にしたいのかということです。

 同じ樹種でもメーカーや製品によって色は違います。

 必ずサンプルを確認しましょう。

 できれば、ショールームなど広範囲に張ってある状態が見られたらベストなのですが、なければできるだけたくさんのサンプルを見たいですね。

 特にスギは、赤い部分と白い部分がどんな割合で入っているかを見ておいたほうがいいです。

 ただし、プリントではないので、1枚1枚柄は違います。

 それは、材の特性として理解しておいてください。

 ○参考 

 ・節について

  スギやヒノキなどは、節があるとないとでは価格が全く違ってきます。

  フローリングは構造材ではないので強度は必要なく、節があることで物理的な問題はありません。

  (表面に傷がつくかどうかという強度ではありません。あくまで構造を負担する材かどうかという意味です)

  節ありのフローリング材は、節の部分は穴のままではなく、きちんと埋めてあります。

  節があるとそれが柄になりごちゃごちゃする感じはしますが、お金はないけど無垢のフローリングにしたい場合は選択肢に入れてもいいかなとは思います。

  ちなみに我が家のLDKの床は、1×4 材をビスで止めています。

  実(さね)がないので、1枚だけを貼り替えることができます。

  5年経過していますが、まだ張り替えたことはありません。

  傷は付き放題でかなり汚れていますが、

   1.あまり気にしていない

   2.時間がない

   3.貼り替えるとそこだけ色が変わる(日焼けしていないので白い)

  という理由から、まだしばらくはこのままでいこうと思っています。

  もともと節がないフローリングもあります。

  節については好みがはっきり分かれるところで、「節が人の目のように見えて怖いからイヤ」という声も聞いた事があります。

◆機能性

 ○足触り

 ・暖かさを求めるかどうか

  一般的には、固い樹種はきずはつきにくいが冷たく、柔らかい樹種はきずはつきやすいが暖かく感じます。

◆耐久性

 ○傷

 ・一般的には、固い樹種はきずはつきにくく、柔らかい樹種はきずはつきやすい。

 無垢のフローリングは、たとえ固い樹種を使ってウレタン塗装にしても、傷は100%は防ぐことはできません。

 ましてや、柔らかいスギやヒノキは、さらに傷はつきやすいです。

 傷に対する強さについては、工業製品のフローリングに勝つことはできません。

 少し固いものを落とすと傷は付いてしまいます。

 それがいやなら、無垢のフローリングはあきらめたほうがいいでしょう。
  
 ○そり・収縮

 固い樹種ほど反りや収縮は少ないように思われがちですが、そうとは限りません。

 反りや収縮が発生するかどうかは、木の特性によるものです。

 ほとんどのメーカーは各フローリングのデーターをもっているので、それを確認すれば反りや収縮の目安になります。

 同じメーカーの同じ樹種では、フローリングの厚みが大きいほど変形はしにくいことが分かっています。

 

◆メンテナンス

 ○汚れ

  無垢のフローリングによく使う塗装について比較してみます。

 ・ウレタン塗装:一番汚れは付きにくいが、表面が平滑になりつるっとするので、無垢の木の肌触りがほとんどなくなる。

 ・オイル塗装:表面の感触は無塗装とほぼ同じで、汚れをはじく効果があるので無塗装と比べるとしみこみにくい。

        無塗装と比べると、表面が濡れたような色合いになる。

        いろんなメーカーの製品があるので、性能や耐久性などは採用を検討する際に確認してください。

 無塗装のままだとお醤油などをこぼすと、そのまましみになって残ってしまいます。

 足触りが無塗装とほとんど変わらないオイル塗装をしておくことを強くおすすめします。

◆施工業者について

 無垢のフロアーは工事中でも傷に対して細心の注意が必要です。

 工事中に施主がずっと監視しているわけにはいかないので、信頼できる工務店を選ぶことが大切です。

 標準仕様に無垢のフローリングを使っているなど、無垢の木の扱いに慣れている職人さんが工事をしてくれる工務店が安心です。

 工事中の養生の方法についても、無垢のフローリングは注意が必要です。

 通常は、お引き渡しの時に、施主と工務店側とで傷など不具合がないかチェックをします。

 その時に、気になるところがあればきちんと伝えましょう。

 工務店の側による傷などがあれば、手直しを依頼する権利があります。

 施工上避けられない部分もあるかもしれないので、そこは納得がいくまで説明してもらいましょう。

◆発注・納入

 自分でメーカーのショールームやインターネットで見つけたり、知人の家のフローリングと同じものを使いたいという場合がありますね。

 そのような場合は、まずは工務店にその商品の情報を伝えて、用意できるかどうか調べてもらいます。

 ほとんどの場合は工務店が仕入れることができるので、発注など工務店に任せましょう。

 発注する量や納入日など自分では判断できないので、そのほうがスムーズにいきます。

 まれに、施主支給(施主が材料を用意して工務店に渡す)で、と言われた時は、発注する量や納入日を確認して自分で発注します。

◆コスト

 工事をどこに発注するかで計算の仕方が少し変わってきます。

 ○工務店・ハウスメーカーに依頼する場合

 ・標準仕様の中に使いたい無垢のフローリングがあれば、特に追加の費用はかからない

  標準仕様は、工務店やハウスメーカーが、使ってみて反りや収縮が少ない材料であることを確認して採用しているので、品質はある程度保証されている

  大量に仕入れているので割安になる

 ・標準仕様の中に使いたい無垢のフローリングがない場合

  標準仕様との差額を支払って希望するフローリングを張ってもらう

  この場合、通常は材料と施工費両方の差額が発生する 

 ○設計事務所に依頼する場合

 設計者は材料についてのノウハウも持っています。

 これまでに採用して品質が良かったもの、施主に喜んでもらったものなどおすすめを教えてもらいましょう。

 メーカーや樹種を指定するより、イメージや性能などの希望を伝えて選んでもらうほうが失敗は少ないです。

 フローリングにかけられる予算もはっきり伝えて、その中でベストのものを選択してください。

 

最終決定するときの判断基準

いろいろと説明してきましたが、最終決定するときには、優先順位をはっきりさせておくことが一番大事になります。

 予算内で採用可能な無垢のフローリングが選択できたら、何を最優先するかを考えます。

 ・デザイン性:イメージ

 ・機能性:足触り

 ・耐久性:キズ・そりと収縮

 ・メンテナンス:汚れ

 以上の項目を、使用したいスペースごとに譲れない順に並べます。

 各項目ごとのベストな材料はそう数はないと思うので、必然的に決まっていきますね。

 一つの項目だけで決められないときは、複数の項目を考え併せて決めてください。

 とにかく、頭の中を整理して選びやすいように整えることが大事です。
 

まとめ

無垢のフローリングを使う場合は、その特性を知ってそれを受け入れることが大事です。

木は生き物なので、多少の変形や収縮は生じます。

収縮によるすきまを気にするかたは多いようですが、無垢のフローリングと付き合っていくにはある程度の鷹揚さは必要だと思います。

すきまや傷、汚れが許容できそうか、それらよりも足触りの心地よさが勝りそうかが決め手になりそうです。

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