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冬の暖房にはどんな暖房機器が最適か迷いますね。
どんな地域に住んでいるか、家族は何人か、どの部屋を温めたいか、熱源の種類と契約はどうなっているかなどによってベストの暖房方法は変わります。
ここでは、蓄熱暖房機とは?蓄熱暖房機のメリット・デメリットは?蓄熱暖房機のメリットを十分に生かすには?という項目に沿って説明します。
蓄熱暖房機とは?
蓄熱暖房機とは、割安な深夜電力を使って夜の間に暖房機内に熱をためておき、日中にその熱を放熱して室内を暖める暖房機です。
蓄熱暖房機は、他の暖房機にはないメリットがある半面、デメリットもあります。
まずは、蓄熱暖房機の詳しい仕組みを説明しましょう。
◆蓄熱暖房機の部屋を暖める仕組み
1、深夜電力でヒータを発熱させ、蓄熱レンガに熱を蓄える
蓄熱暖房機は電気代が安くなる夜間に、暖房機内に内蔵されている「蓄熱レンガ」という熱をためることができるレンガ(蓄熱帯)を暖めて熱をためています。
2.蓄えた熱を自然放熱またはファンを回すことにより強制放熱して部屋を暖める
蓄えた熱が日中に自然放熱されるしくみのため、蓄熱暖房機に電気代がかかるのは熱をためている(蓄熱レンガを暖めている)夜間のみです。
(ファン付きの蓄熱暖房機は、日中ファンを回している間はファンの電気代はかかります)
蓄熱暖房機からは一日中熱が放熱され続けてレンガは徐々に冷えていき、夜になると再び深夜電力でレンガを暖めます。
これを繰り返して、冬の間中部屋を暖めます。
◆蓄熱暖房機の種類
蓄熱暖房機には、ファンがついているタイプとついてないタイプに分けられ、それぞれさらに容量によっていくつかの種類があります。
○ファンタイプ
自然放熱と内蔵ファンによる温風で放熱します。
ファンは室温コントローラーにより、室温に応じて自動で入切したり、手動で入切したりします。
常に人がいる居間など大きな部屋におすすめします。
○ファンレスタイプ
自然放熱のみで暖めるため、広い部屋を全体に暖めるには向きません。
狭い空間の暖房に適しています。
○蓄熱暖房の消費電力
消費電力はサイズ、電圧(100Vか200V)、機種によって異なるので一概には言えませんが、1000Wから3000Wほどです。
蓄熱暖房機のメリットとデメリット
◆メリット
・輻射熱でじんわりと暖かい
足元から暖かく、心地よい暖まり方です。
空間全体を暖めるので蓄熱暖房機から離れても暖かい
・24時間、室内の温度変化が少なく体に優しい
(結露を防げるので建物にも好影響)
・性能のわりにランニングコストが安い
蓄熱暖房機からは割安な深夜電力を使って蓄熱しているので、一日中熱が放熱され続けるが昼間は電気を使わない
(ファンつきの場合は、ファンを回す電力は必要になるが、電気使用量はわずか)
(電気料金は各電力会社で異なります)
・室内の空気を汚さない
電気を使ってあたためるので、室内の空気を汚すことなくクリーンです。
石油ストーブやガスストーブのように頻繁に換気をする必要はありません。
石油ストーブのような臭いもありません。
・燃料の補給が不要
灯油のように定期的な燃料の補給が必要ありません。
・ファンを回さなければ音がなくて静か
・石油ストーブやファンヒーターほど機器自体が熱くならない
蓄熱暖房機の天板でも、数秒以上は熱くて素手を置いておけないが、触った瞬間熱くて手を引っ込めるような熱さではない。
さわってすぐにやけどするようなことはない。
・火災の危険性が少なく比較的安全
・壊れにくい
・200の電源を設けて床補強をしておくと、将来電気工事なしで設置することができる。
◆デメリット
・機器が大きいため場所をとる
容量の大きなクラスになるとかなり大きい(w1300くらい)ので、置き場所をよく考える必要がある
暖房器具としての役割しかないのに、暖房が不要な時期も片づけられない
・重量が大きいため、床の補強が必要
・200V配線が必要
・蓄熱量が不足すると昼間の電力を使ってレンガを暖めないと暖房できないので電気代が割高になる。
・高気密・高断熱住宅でないと暖房効果が薄い
・設置位置を変更できない
蓄熱暖房機のメリットを十分に生かすには?
◆機種の選定
・建物の断熱性、気密性に合った容量の暖房器を選ぶことが大切です。
◆建物のつくり
・間仕切りが少ないか、または建具を開放できるワンルーム的なプランに向く
・機密性が高く、断熱性能のいい高気密高断熱住宅ほど効果を発揮する
隙間の多い気密性がよくない作りだと、熱が逃げてしまいます。
・蓄熱暖房機の置き場所を工夫する
蓄熱暖房機は、周囲を一定寸法あけると壁や棚にすることができます。
壁をくぼませて蓄熱暖房機を置いたり、上にカウンターを作ったりすると、機器が邪魔になりません。
キッチンの対面カウンター下などがおすすめです。
(注)蓄熱暖房機の上にカウンターを作ると、その上も多少暖かくなるので、熱を嫌う機器などは置かないようにしてください。
◆オール電化で深夜電力が安価なお得な電力プランで契約していることが必須条件
・蓄熱暖房のメリットは、安価な深夜電力でレンガを暖めておき、昼間はほとんど電気を消費しない点です。
ファンタイプでも、昼間はファンを回す電力だけで済みます。
・日中の電気代もできるだけ節約していけるよう、各家庭の電気の使い方に一番見合った電気料金プランを選ぶ
・生活スタイルは日々変化していくものなので、定期的にプランの見直しをすることが必要です。
自分のライフスタイルにあったプランに切り替えるだけで、オール電化の電気代も上手に節約することが可能になります。
◆無駄のない設定方法
冬の間ずっと使う蓄熱暖房機は、無駄のない設定方法を心掛けて上手に使いながら節約していきましょう。
・最適な蓄熱量を設定する
蓄熱暖房機で一番電気代が高くつき損をしてしまうのが日中の追い焚きです。
前日の蓄熱量設定が低すぎて日中熱切れを起こしてしまった際に追い焚きをすると日中の割高な電気代がかかってしまうため、電気代が高くついてしまいます。
そのため、日中の追い焚きをしなくて済むように適切な蓄熱量を設定していくことが大切です。
ほとんどの機種は、翌朝に設定した蓄熱量になるように蓄熱を開始するようになっています。
・前夜に蓄熱しておかないと翌日の昼間は暖房ができないので注意する
・時刻設定の確認(定期的に)
・ファンは必要な時だけ回す
ファン付の蓄熱暖房機は、必要な時だけファンを回すようにしましょう。
ファンを回しているとそれだけ熱が放出されてしまうので、十分に暖かい時などはファンを停止しましょう。
蓄熱暖房機機種によっては、室内温度が設定温度より低い時だけファンがまわる設定や、設定した時間だけ(例:毎朝7:30~9:00までなど)ファンを運転する設定などができる機種もあるので、上手に使うようにします。
また、蓄熱中にファンを回していると、蓄熱量が少なくなってしまい翌日の蓄熱量が不足してしまうことがあります。
就寝前にファン運転が停止しているか、しっかりと確認をしましょう。
・数日間不在にする場合はファン・ファンタイマーを切る
長期間留守にする場合以外は、毎夜蓄熱しておくほうが経済的です。
不在の間は人の出入りがないぶん、室内が密封されるため蓄熱量の減り方は少なくなります。
1週間程度外出する場合も、蓄熱量を少し下げるなどの設定にしておき、保温状態を保っておきましょう。
蓄熱を止めると建物が冷えてしまい、元の暖かさに戻るまで時間がかかるため、かえって電気を消費してしまいます。
・暖房シーズンの終わりにはコンセント、ブレーカーを必ずOFF
◆多少は乾燥するので加湿対策をする
・洗濯物を干しておくとよく乾き、加湿にもなるので、一石二鳥になる。
蓄熱暖房機を使っているかたから、「蓄熱暖房機を使っている間は洗濯ものは一晩で乾くが、使っていないときはなかなか乾かず、部屋干しの臭いがつく」とききました。
まとめ
以前勤めていた工務店では、暖房機は蓄熱暖房機をおすすめしていました。
建設地は京都府の中部が多く、年に数回は20~50センチの積雪がある地域です。
新築の約8割が蓄熱暖房機のファンつきの一番容量の大きいタイプを設置していました。
とても評判がよく、ほとんどの方が蓄熱暖房機にしてよかったと言ってくださいました。
ただ、不評だったお宅もあり、その原因は、効率のいい使い方がされていなかった場合がほとんどでした。
それに、蓄熱暖房機はガンガン部屋を暖めるというものではないので、そのような特性を理解した上で設置しなければ不満に感じる場合があります。
でも、それは例外で、一部の家庭をのぞいては快適に過ごされているので、蓄熱暖房機である程度寒い地域には最適の暖房器具であると言えるでしょう。
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