生活手帳

脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の症状は?対応と治療方法、予防策は?

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脳卒中ってどんな病気か知っていますか。

では、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血との違いは?

脳に関する疾患としてほとんどのかたは聞いた事がありますね。

でも、それぞれの違いを説明できる方は少ないのではないでしょうか。

これらの病気は、症状が起こったときの対応によっては命にかかわる場合があります。

ですから、それらがどんな病気なのか、基礎知識を身につけておくことは、とても大切です。

そしてその症状が疑われる場面に立ち会ったとき、どのように対応したらいいのかを知っておきましょう。

  

脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いは?特徴は?症状は?

◆ 脳卒中、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いは?

脳卒中とは、一つの病気の名前ではなく、[脳の血管が詰まったり、破れたりして起こるすべての状態] のことを言います。

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血は、そうやって起こる症状の種類なのです。

脳卒中は、大きく分けると、以下の2つの種類になります。

1.血管が詰まって起こる → 主な原因は高脂血症からくる動脈硬化  
 
   脳梗塞:血管が詰まって酸素と栄養がいきわたらなくなり、脳の細胞が死んでしまう

    ・ラクナ梗塞 ― 脳の細い動脈が高血圧で損傷を受けて詰まる 

      日本人に最も多く、脳梗塞の約半分を占める

      症状は比較的軽い場合が多いが、何度も発症すると血管性痴呆やパーキンソン症候群を起こすことがある

    ・アテローム血栓性梗塞 ― 頸等の大きな動脈の硬化により血管が狭くなり、そこに血栓ができて詰まったり、血栓がはがれて先のほうで詰まったりする

     高脂血症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病が原因で起こる  

      日本人の脳梗塞の約20%を占める
     
      症状は、片麻痺、感覚障害、高次脳機能障害を伴うことがある

      心筋梗塞、四肢の閉塞性動脈硬化症を合併することもある

    ・脳梗塞 ― 心臓病が原因で心臓の血管にできた血栓がはがれて、血液で運ばれて脳の動脈をふさぐ 
   
      日本人の脳梗塞の約20%~25%を占める      

      突然起こるので、脳梗塞の範囲は広くなり、症状も重症化する

2.血管が破れて起こる → 主な原因は高血圧 

   脳出血が生じることで脳実質が破壊され神経細胞が死んでしまう

 ① 脳出血 ― 高血圧が続いて脳の細い動脈に高い圧力がかかり続け、徐々にもろくなって破れて出血する

    頭痛や嘔吐を伴うことがある

    症状は、片麻痺、感覚障害を伴うことが多く、重症になると意識がなくなることもある

 ② くも膜下出血 ― 脳の太い動脈にこぶ(動脈瘤)ができてそれが破れて出血する

    動脈瘤は先天的なものだが、高血圧によって大きくなるといわれている

    40歳~50歳代の働き盛りに多い

    症状は、激しい頭痛と吐き気、おう吐を伴い、意識を失うことが多い

    くも膜下出血の頭痛は突然起きるのが特徴で、徐々に痛みが強くなるのはくも膜下出血ではない

    警告発作として、本物の発作の前に何度か頭痛が起こることがある

     この時点で精密検査をして処置を行うと大出血を未然に防ぐことができる

    出血が少なければ意識は回復するが、出血が多い時は、命にかかわる

    

◆ 脳卒中の特徴は?

1.最大の特徴は、ほとんどの場合、今まで全く症状がなかった人に突然起こる

2.高齢者に多い(例外として、くも膜下出血は比較的若い年代に多い)

3.自覚症状はほとんどなく、高脂血症、糖尿病、高血圧などの生活習慣病,心臓病などのほかの病気が原因で起こる

4.発症すると手足のしびれ、片麻痺、言語障害などの神経の症状が突然に起きる

◆ こんな症状があったら危険信号 

 突然起こるといっても、何らかの危険信号を発している場合はあります

 ・風邪でもないのに頭痛がする

 ・貧血や耳の病気がないのに急にめまいがする

 ・手足がしびれる

 ・ろれつが回らない

 ・物が二重に見える

 ・真っすぐ歩けない 歩行が困難になった

 ・直線が描けない

 ・箸がちゃんと使えなくなった

 ・意識がなくなったことがある

起こった時の対応は?

◆ 急に脳卒中と思われる症状を起こした人がいたらまず始めにすること

・意識がある場合

 マットや毛布を敷いて寝かせ、できるだけ快適な場所に移動する。

・意識がない場合

1.救急隊が応急処置をしやすく、また救急車に運びやすい場所に患者を移す

2.横向きに寝かせる

3.楽に呼吸ができるようにし、吐いた物をのどに詰まらせないようにする

◆ 次にすること(意識の有無にかかわらず)

 一刻も早く専門医療機関を受診するか救急車を呼ぶ

 いつ、どこで、何をしている時、どんなことが起こったか を伝えること

 発症後3~6時間以内に初期治療を受けることが鉄則

 最近は、初期治療によって、その後の悪化を防ぎ、劇的な効果も期待できるようになってきた

 したがって、自宅で安静にして様子を見るというのは間違い

治療

大きく分けて薬による治療と手術による治療がある

脳梗塞と脳出血の両方に共通するが、病気の原因と重症度を考えて治療法を選択する

1.脳梗塞の治療 

 ・薬による治療

  脳梗塞を起こしてから2週間は、薬物治療を中心にして全身状態を改善させる

  2週間以上経過すると症状が安定するので、再び発作を起こさない限り、それ以上症状が悪化することはない

  それ以降は状態を見て薬物治療を続け、脳卒中の原因になった病気の治療も始める

 ・手術による治療
  
  症状が進んでいて、薬だけでは改善が難しいと判断された場合、手術を受ける

  手術の方法は、脳梗塞の種類によってさまざま 

  手術になると入院することになり、術後のリハビリが必要になる場合もある

2.脳出血の治療

 ・薬による治療

  脳内出血直後の患者さんは、高血圧になっていることが多く、脈拍も含めてとても不安定な状態

  血圧や脈拍を安定させ、出血を増やさないためにも絶対安静がまずは必要になる

  さらに、血圧が特に高い場合は、血圧を下げる薬を用いて安定化させる

  それから、必要な場合はリハビリを開始する
 
・手術による治療

  脳内の血腫の量を減らして周囲の脳のダメージを減らすという手術になる

  ただし、出血によって傷ついた脳の機能を回復させる手術法はなく、またすべての脳出血に手術が行われているわけではない

予防

脳卒中は三大生活習慣病の一つで、直接の主な原因は動脈硬化です。

その動脈硬化を引き起こす要因は、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などです。

これらを予防するには、生活習慣全体を見直すことと、脳ドックで異常を早期発見することです。

脳卒中の予防 4大ポイント

1.若いうちから自分の血圧を知り、コントロールするように心がける

2.食生活に注意する

  ・塩分は控えめに

  ・コレステロールを減らす

  ・魚と野菜、良質のたんぱく質をしっかり摂る

3.適度な運動を習慣づける

4.定期的に脳ドックを受診し、脳の健康状態を常に把握する

まとめ

脳卒中は、ある日突然襲ってくる怖い病気だといわれています。

そうはいっても、予防ができないわけではありません。

原因が、生活習慣病からくる動脈硬化だということはお伝えしましたね。

健康で長生きするためにも、動脈硬化にならないように、血圧に気をつけ、バランスのよい食生活を心がけるようにしましょう。

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