まつ毛エクステは、どのようなメリットがあるのか、またデメリットがあるのか、あなたはどこまで御存じですか。
すっぴんでも目がくっきりする反面、自分のまつ毛が取れてしまったとか、アレルギー症状が現れたなどの危害も報告されています。
ここでは、まつ毛エクステの歴史と基礎知識を学び、メリットだけでなくデメリットもお伝えします。
そして、そのデメリットの回避策についても検討していきます。
まつ毛エクステの歴史
まつ毛エクステは30年程前に韓国で始まりました。
美容業界では比較的歴史の浅い技法とされています。
まつ毛が濃くて長いと目がパッチリして、顔がはっきりしますね。
そんなところが女性に爆発的に人気になりました。
まつ毛エクステが日本に入ってきたのは10数年前だといわれています。
当初は6本~8本毛束状のまつ毛を地まつげ2~3本束にして付けていたようです。
そのため、取れやすかったり、仕上がりが不自然だったり、地まつ毛に負担がかかって地まつ毛自体が抜けたなどの問題点も多かったということです。
その後2003年に、毛先が細い人工毛が誕生しました。
グルー(専用接着剤)の性能も改良されて、取れにくく安全なグルーが作られました。
単体の人工毛を1本ずつ地まつ毛に装着するタイプのまつげエクステンションは、『プリアンファ』というメーカーによって日本に持ち込まれました。
軽くて柔らかく、自然な仕上りに一気に人気が出て、あっという間に日本全国に広まり、多くの専門サロンが誕生しました。
近年、韓国で行われた国際的なコンテストで日本人が優勝したことからも、いかに日本人のまつ毛エクステ技術が発展しているか分かります。
まつ毛エクステの基礎知識
まつ毛エクステは、『まつ毛エクステンション』の略語です。
人工のまつ毛のつけ方は、皮膚やまぶたに直接「人工毛」をつけるのではなく、専用の瞬間接着剤(グルー)で既に生えているまつ毛1本に対して人工毛を1本ずつ付けるのです。
毛根より1~2mmの部分に接着するので、まつ毛を長くしたり、ボリュームアップしたり、イメージどおりの理想の目元にすることができます。
つけまつ毛のように自分で取り付けるのではなく、まつ毛エクステを提供している専門サロンで有資格者に施術を受けるのが一般的です。
まつ毛エクステは施術方法や技術力で大きく異なりますが、付けてから約3週間~1ヶ月持続します。
一度つけるとしばらく持つという手軽さも人気の理由で、幅広い年齢層の女性がまつ毛エクステを利用しています。
まつ毛エクステは、長さや太さなど様々なタイプがあり、自分の目にあったまつげをつけることができます。
カラーも黒や茶色以外にブルーやレッドなどがあり、気分やイメージに合わせて個性的で華やかな目元を楽しむことが出来ます。
◆ 私の行きつけのカットハウスでもまつ毛エクステを行っています。
そこでいろいろと教えてもらったので簡単に紹介します。
・施術者はすでに美容師の資格を持っているので、まつ毛エクステの勉強をして施術できる知識と技術を得ました。
・通常料金(主なメニュー)
両目 80本(片目 40本) ¥5,500 所要時間 約1.5時間
両目 100本(片目 50本) ¥6,000 所要時間 約2時間
リペア 1か月以内(当店で施術された場合のみ)
両目 40本(片目 20本) ¥4,000
両目 60本(片目 30本) ¥4,500
・こんな方におすすめ
自然なボリュームアップをしたい方
メイク時間を短縮したい方
ビューラー・マスカラをしたくない方
スポーツや汗などでメイクが崩れがちな方
近くにまつ毛エクステができるところがないのでしてほしいとの要望があり、勉強して始めたとのことです。
施術されるお客様は、若い方から年配の方まで幅広い年齢層だそうです。
まつ毛エクステのメリット
・毎日のお化粧にかける時間が短縮できる
ビューラーやマスカラを毎日使う必要がなくなり、時間の短縮になります。
・ノーメイクでも目元にボリュームが出る
まつ毛が短い・少ないなどの悩みも解消できます。
・色々なデザインの目元を楽しむことができる
カールの角度や長さ調節もお好みにできるので、バリエーションが楽しめます。
まつ毛エクステの注意点、デメリット
1.まつ毛エクステは法律で美容行為として定められており、美容所としての届け出のある施設で、美容師の有資格者でなければしてはいけない
2.まつ毛エクステは目元への施術ですので危険性も伴います。
グルー(接着剤)は瞬間接着剤のようなものなので、これが目に入ってしまうと角膜炎を引き起こす危険性があります。
また、目に直接入らなくても、気化して空気を通じて沁みる場合もあり、目の充血や炎症につながることもあります。
3.施術の際にはまぶたから1mm~2mm程離して装着しますが、万が一まぶたにグルーがついてしまった場合は、アレルギーを引き起こす危険性もあります。
まつ毛エクステに関するトラブルのほとんどは、このグルーによるものです。
4.サロンで事前にカウンセリングを行う
・アレルギー反応が出ない事を確認して施術します。
・目の感染症やアトピー症がないかの確認を行います。
・直前にケミカルピーリング等の施術やアートメイクを受けていないか等の確認を行います。
・体調の確認等も必ず行います。
・かならずカウンセリングを行い、カウンセリングカルテを作成してもらいましょう。
このような事前のチェックを行うことで少しでもトラブルを回避することが大事です。
◆以下のウェブサイトで情報提供がされています。
まつ毛エクステを考えている人は、このような情報を得たうえで検討することをおすすめします。
・京都市情報館 まつ毛エクステンションについて
近年,以下のような相談が全国で増えています
まぶたが腫れ,病院に行ったところ,「接着剤が原因と考えられるアレルギー反応である」との診断を受けた。
目が痛いので病院に行ったところ,「角膜に傷がついており結膜炎にもなっている」との診断を受けた。
まつ毛エクステンションは,目の周りへの施術であり,目や皮膚への健康被害等のトラブルを生じさせるリスクを内包していることから,その安心・安全を確保するために,安心・安全を第一とする施術者の十分な自覚や配慮のもと,下記のような情報提供等の取組みを行っていただきますようお願いします。
記
1.まつ毛エクステンションの施術に当たっては,あらかじめ顧客の状況に応じて施術が可能であるかを問診票等を用いて確認すること。
2.まつ毛エクステンションの施術の前に,施術中の注意事項や施術後のケア,健康被害のリスク等について,利用者に十分な説明を行い,理解を得ること。
3.「理容所及び美容所における衛生管理要領」(昭和56年6月1日付け環指第95号)に基づき,器具の消毒などの衛生管理を徹底すること。
4.眼等に異常が生じた場合には,直ちに眼科,皮膚科等の医師の診察を受ける必要があること。
・厚生労働省 まつ毛エクステンションの危害情報について
独立行政法人国民生活センターに対するまつ毛エクステンションの危害の相談が増加していることから、独立行政法人国民生活センターから厚生労働省あてに情報提供がされるとともに、消費者庁からも対応要請がされたところです。
国民の皆様におかれましては、まつ毛エクステンションの施術を受ける際には、消費者庁及び独立行政法人国民生活センターの公表資料をご覧いただき、十分ご注意ください。
まつ毛エクステンションは美容行為であり、業として行うに当たっては美容師の免許が必要です。
1.危害事例にみられるまつ毛エクステの問題点
① 美容師の資格を持たない者が施術している
② 目元の施術であることや接着剤の使用など危害が生じる要素が多い
③ トラブル時の対応に問題のある店舗が見られる
2.専門家の助言 梶田眼科院長 医学博士 梶田雅義氏
まつ毛エクステをしたあとで目のトラブルを訴える症例は、以前は月に1~2 件であったが、最近は週に1~2 件は見るようになった。
年齢も幅広く、ほとんどの患者が、痛みやひりひり感、充血がひかないといった症状で訪れる。
接着剤や他の薬剤が目に入り傷がついた例や、人工まつ毛が目の方向に向いてついてしまっている例、中には人工まつ毛が角膜に刺さっていた例もある。
まぶたやまつ毛は汚れや細菌から目を防御するために機能している。
人工まつ毛をつけていると、目元をきちんと洗いにくくなるので、目元を清潔に保つことが難しくなる。
その結果ものもらいなどができやすくなるうえ、できてしまったときに治療の妨げになる。
眼科医としては、目の病気を防止するためにも目元は清潔にしておくことを勧める。
まつ毛エクステをしたい場合は、継続してつけておかず、まつ毛を休め、目元を清潔に保持できる期間を作ることが大事である。
また、少しでも異常を感じたらすぐに眼科を受診するべきである。
小さな傷であっても、放っておけば細菌などが入り、炎症や潰瘍かいようなどになる場合がある。
角膜潰瘍かいようは治療が遅れれば視力の低下を招くこともある。
まつ毛エクステに関する危害の詳しい内容は以下を参照してください。
平成22 年2 月17 日 独立行政法人国民生活センター
まとめ
まつ毛エクステのメリット・デメリットについてお分かりいただけたかと思います。
まつ毛エクステをしようと考えているかたは、施術してもらうところについて次のことをよく調べて判断しましょう。
・有資格者がしっかり知識を持って施術しているか
・施術はしっかりとした技術を持って行っているか
・万が一問題が起こったときの対応がしっかりしているか
しっかり下調べをして施術してもらうお店を選んで、素敵な目元を手に入れてください。