近年、生活習慣病の危険性について広く知られるようになり、食生活の改善についても関心が高まっていますね。
そんな事情から、「トクホ」の表示のある食品が注目されるようになりました。
あなたは、トクホとはどんなものか、正確に理解していますか。
ここでは、トクホの基礎知識を学び、どのような利点があるのか、摂るときにはどんな注意が必要かについて説明していきます。
トクホの基礎知識
「トクホ」とは、特定保健用食品の略語です。
一般食品と何が違うのか、また同じような「機能」や「栄養」という言葉を使った食品とはどう違うのかについて説明します。
また、「トクホ」の位置づけについても説明します。
■ 食品を分類すると以下のようになります。
◆ 食品
・一般食品
・保健機能食品
特定保健用食品
栄養機能食品
機能性表示食品
■ 以下に各食品ごとに説明します。
1.一般食品
栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品などの表示がされているものは一般食品になる。
2.保健機能食品
健康の維持増進に役立つことが科学的に認められ、具体的に「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品
表示されている効果や安全性について国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可している。
特定保健用食品は、以下のように4種類に分けられています。
・特定保健用食品
摂取することにより特定の症状軽減に効果が期待できるという表示をする食品
・特定保健用食品(疾病リスク低減表示)
含まれている成分の疾病リスクを低減させる効果が、医学的・栄養学的に確立されている場合、疾病リスク低減表示を認める特定保健用食品
・特定保健用食品(規格基準型)
トクホとしての許可実績が十分な場合、個別審査なしで許可されたトクホ
特定保健用食品の審査で要求している有効性のレベルには届かないものの、一定の有効性が認められている食品を、以下の表示をすることを条件として、認められているもの。
許可表示:「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、△△に適している可能性がある食品です。」
② 機能性表示食品
事業者の責任で、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。
販売前に安全性や機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官に届けられたもの。
(注) トクホと違う点は、個別の許可を受けたものではなく、届け出のみというところです。
③ 栄養機能食品
不足しがちなビタミン、ミネラルなどの栄養成分の補給のために利用できる食品。
科学的根拠が確認済みの栄養成分を基準量含む食品であれば、届け出なしで国が定めた表現によって機能性を表示できる。
以上のことから、①特定保健用食品 (トクホ) ②機能性表示食品 ③栄養機能食品 の順に審査が厳しいということになります。
そして、「トクホ」だけが、食品の中で食品ごとに消費者庁長官にその効果を許可されているのです。
トクホの種類
トクホには、次のような種類があります。
・コレステロール調節
・血糖値調節
・中性脂肪・体脂肪抑制
・整腸(乳酸菌、食物繊維、オリゴ糖など)
・血圧調節
・ミネラルの吸収を助ける
・骨の健康
・歯、歯ぐきの健康
トクホの表示内容
一般の食品に表示されている項目以外に、トクホにしか許可されていない(トクホが表示しなければならない)表示項目があります。
以下の項目の中で、赤字になっているものがその項目です。
・特定保健用食品
・商品名
・名称
・原材料名
・許可表示
・栄養成分表示
・一日摂取目安量
・摂取方法
・摂取上の注意
・調理または保存方法の注意事項
・製造者
・一日当たりの摂取目安量に含まれる該当栄養成分の量が栄養素等表示基準値に占める割合
トクホを摂取するときの注意点
1.トクホは、特定の効果を期待して摂る食品ですが、特定の人しか食べてはいけないというわけではなく、健康な人が通常の食品として食べても問題はありません。
2.効果があるからといって一度にたくさん食べたり、そればかり食べるという食べ方はお勧めできません。
トクホを摂取するにしても、いろんな食品をバランスよく摂ることが大事です。
3.製品には、消費者にわかりやすいように上のようなマークが付いています。
また、「厚生労働省許可」「保健機能食品」などの文字が表示されていますから、購入するときは、それらの文字を確認しましょう。
製品には、食品の働きや期待できる効果などの機能表示、摂取目安量、注意事項などが詳しく記載されているので、そちらも必ず確認するようにしましょう。
4.特定保健用食品は、科学的に効果が証明されていますが、効果には個人差があります。
また、即効性は期待できないものもあります。
ある程度長い期間使い続けることで、効果が得られると考えられます。
使うときは、摂取目安量や注意事項などを守りましょう。
まとめ
「トクホ」は、特定の効果が期待できることが個別に消費者庁に認められ、その表示が許可されている食品だということがわかりました。
ただし、トクホを摂っていれば万全というわけではありません。
基本は、毎日の食生活です。
そこに、プラスαで、通常の食品では摂りにくかったり不足しがちな栄養素等を補う食品としてトクホを考えましょう。
「トクホ」はスーパーやコンビニなど、身近なところで購入でき、一般に価格も比較的手ごろで、多くの人が利用しやすくなっていますます。
トクホを上手に使って、生活習慣病を予防・治療しましょう。
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