生活手帳

輸入食品の安全性は大丈夫?その確保の方法について解説します

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現在の日本の食糧は、カロリーベースで約60%を海外に依存しており、輸入食品の安全性確保は非常に重要な課題です。

その安全性を確保するために、厚生労働省が、食品衛生法に基づいて、毎年、輸入食品監視指導計画を策定し、輸入食品の安全性を確保するための対策を講じています。

では、具体的には、どのようにその対策を実施しているのでしょうか。

ここでは、どのような方法で輸入食品の安全性が守られているのかについて解説します。

  

輸入食品の安全性確保はどのようにして行われているの?

厚生労働省は、膨大な量の輸入食品を重点的、効率的かつ効果的に監視指導するため、以下の3段階の検査体制を定めて実施しています。

[1]輸出国における安全対策 [2]輸入時での対策 [3]国内での対策

◆ 輸出国での安全対策は?

 特に違反の可能性が高いと考えられている食品については、輸出国の政府等に対して、違反原因の究明とその再発防止対策を確立するよう要請します。

さらに、二国間協議を通じて、輸出国政府による監視体制を強化して安全管理を推進しています。

また、必要に応じて、専門家を輸出国に派遣して安全管理状況の確認を行ったり、輸出国の政府担当者などに対してセミナーを開催しています。

◆ 輸入時での対策は?

販売又は営業上使用することを目的として輸入する食品、添加物等については、輸入者に対し、そのつど厚生労働大臣に対して届け出ることを義務付けています。

この届は、全国で32か所の検疫所食品監視窓口で受付け、輸入される食品等が食品衛生法に基づく規格基準等に適合するものであるか食品衛生監視員が審査を行い、場合に応じてモニタリング検査や検査命令等を実施しています。

◆ モニタリング検査とは?

 多種多様な輸入食品等の衛生管理について幅広く監視するため、モニタリング検査を実施しています。

モニタリング検査のサンプリングは各検疫所食品監視窓口において行い、試験分析は、高度な検査技術、機器を有する横浜及び神戸検疫所の輸入食品・検疫検査センターなどで実施しています。
 
モニタリング検査は、違反の可能性が低い食品について検査を実施し、必要に応じて輸入時検査を強化する等の対策を講じることを目的としているため、その費用は国が負担しています。

なお、検査結果の判明を待たずに輸入することは可能です。

◆ 検査命令とは?

法違反の可能性が高いと見込まれる食品等について、輸入者に対し、輸入の都度、検査を実施を命じる制度です。

検査の費用は輸入者が負担し、検査結果判明まで輸入することができません。

◆ 膨大な量の輸入食品について、全体の安全性をどのような方法で確保している?

我が国では、平成26年度の実績で年間約222万件・約3,241万トンもの食品を輸入しています。

検疫所においては、多種多様な輸入食品を幅広く監視するために、計画的にモニタリング検査を実施しています。

1.検疫所で食品ごとにモニタリング検査をして各食品のリスクを把握します。

2.モニタリング検査の結果、法違反の可能性が高いと判断される食品については、全ロット検査を輸入業者に命じて、食品衛生法に違反する食品が輸入されないよう対策しています。

◆ 米国と日本の食品添加物の基準が違えば、日本で許可されていない物が輸入されることはない?

日本と米国の食品添加物の指定基準には違いがあります

例えば、日本では添加物に含まれないものが米国では添加物となっていたり、日本では1品目として計上されている品目が、米国では、物質ごとに指定され数十品目となっているものが含まれています。

そのため、米国から輸入される加工食品については、輸入時にモニタリング検査等を行い、日本で認められていない食品添加物が含まれていないかチェックを行っています。

輸入食品の販売時の表示規制は?

輸入品は、既に現地の言語で原材料名等の表示がなされていますが、日本の一般消費者にわかりやすいように日本語で記載しなくてはいけないことになっています。

以下の項目は、日本語で表示することになっています。

・名称 - その内容を表す一般的な名称を用いて記載するよう規定されています

・原材料名 - 食品添加物以外の原材料と食品添加物とに区分して、それぞれ原材料に占める重量の割合の多いものから順に記載するよう規定されています

まとめ

現在、日本では、約60%の食糧を海外から輸入しており、その量は平成26年度の統計では3,241万トンにも達しています。

この割合は、主要先進国の中では最低の食糧自給率になっています。

この膨大な量の輸入食品の安全性を確保するために、厚生労働省は輸出国内・輸入時・日本国内の3段階でチェックをしています。

それでも、平成26年度には、延べ96,580件のモニタリング検査において140件の法違反があり、回収等を命じています。

私たち消費者は、自身でできることして、輸入食品を購入する際には、国産品と同じように表示を確認するようにしましょう。

「輸入食品監視業務FAQ」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000072466.html)をもとに作成

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