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更年期障害の検査と診断はどのようにするの?詳しい治療方法と予防対策は?

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更年期障害の症状はいろんな形で現れ、症状の出方や強さ、期間などにはかなり個人差があります。

また、甲状腺や循環器などの内科疾患、整形外科疾患、うつ病などの精神疾患とよく似た症状を示すことがあるので、複数の診療科の受診が必要になることもあります。

さらに、高血圧や骨粗しょう症など、更年期を迎えてからかかりやすくなる病気もあります。

自分勝手に判断し、市販薬や民間療法に頼るのは危険です。

ここでは、更年期障害の検査と診断はどのようにするのかと、詳しい治療方法と予防対策について解説します。

  

更年期障害の検査と診断は?

更年期障害の疑いがある時は、専門医の診察を受け、まず血液ホルモン検査をすることをおすすめします。

◆更年期障害の検査

1.問診:主に聞かれることは?

 •現在の症状に関わること(どんな症状が、いつ頃発症して、どの程度か)

 •月経に関わること(最終月経、月経周期)

 •これまでにかかった病気、家族の病歴  など

2.主な検査と確認事項

 更年期障害は、甲状腺や循環器などの内科疾患、整形外科疾患、うつ病などの精神疾患とよく似た症状を示すことがあるので、複数の診療科の受診が必要になることもあります。

 自分勝手に判断し、市販薬や民間療法に頼らないようにしてください。

 ①血液検査

  •血液中のホルモン量を測定し、エストロゲンが減少し、更年期にみられるホルモン変化があるかどうか

  更年期障害は、卵巣機能がまだ変動している時期にみられるものです。

  一定の時期が過ぎて卵巣機能が完全に低下し、全身の状態がホルモンの変化に慣れてくれば、自然によくなると考えられています。

  そのため、一度だけの血液ホルモン検査では、エストロゲンが正常な値を示すことがあります。

  更年期と診断されるためには、老化した卵巣を活発にしようとして脳下垂体から大量に分泌される性腺刺激ホルモンの値が高 いことを確認することが重要です。

  •生活習慣病などの病気が隠れていないか

 
 ②内診、細胞診などの婦人科系の検査 

 ③子宮筋腫など婦人科系の病気がないか

 ④心理テスト

  •うつ病などの精神疾患がないか

◆更年期障害の診断

現在は、以下の項目に該当すれば更年期障害と診断されています。

 •更年期に該当する年齢である

 •診察や検査の結果、更年期症状と同じ症状を示す別の病気がないと診断できる

 •訴えが心身両面にわたり、複数の症状が現れていて複雑である  など

更年期障害の治療は?

更年期障害の治療には、薬物療法や心理療法などがあります。

◆薬物療法

更年期障害の治療で薬物療法を行う場合には、体全体の調子を整えるための薬が主に用いられます。

特定の症状が強く出ているときは、それを改善するための薬も併用されます。

(例)精神神経症状(不安感、いらいら、うつ状態、不眠など)が強く出ているとき:抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬など

1.体全体の調子を整える薬

 ① ホルモン薬(ホルモン補充療法)

 急激に減少する女性ホルモンを補充することによってホルモンバランスを整えます。

 のぼせ、ほてり、発汗などの血管運動神経系症状が中心となっているような場合に用います。

 のぼせなどは、ホルモン補充療法を服用すると約1カ月で症状の改善をみることができます。

 精神症状のなかにもエストロゲンが欠乏するために現れるものがあり、ホルモン補充療法が効果的な場合もあります。

  •萎縮性膣炎に基づく膣乾燥感、性交痛にも効果がある

  •骨粗しょう症の治療にも用いられる

  •個人差はありますが、不正出血、乳房痛、頭痛、悪心、嘔吐などの副作用がある

  •長期間の使用によって乳がんになる可能性が若干高くなるといわれている

  平均5年以上ホルモン補充療法を行っている女性では、行っていない女性と比べて乳がんの発症リスクが1.3~1.4倍高くなり ます。
 
  しかし、定期的な検診が行われているためか、ホルモン補充療法に関連する乳がんは比較的早期の予後のよいタイプが多く、 乳がんによる死亡率はとくに増えていません。

  現在のところ、更年期障害に対するホルモン補充療法は、定期的な子宮がん・乳がん検診を受けながら数年間をめどに行うの は問題ないと考えられています。

 ② 漢方薬

  「気・血・水」の流れを改善し、全身のバランスを整えます。

  更年期症状が軽い場合やホルモン薬を使えない場合に用います。

  •体質や症状などによって薬が使い分けられる

  •副作用が少なく、長期間の使用が可能

  •効果がでるまでにやや時間がかかる

  ③ 自律神経調整薬

 自律神経全体のバランスを整えます。

 更年期症状が軽い場合やホルモン薬を使えない場合に用います。

  •ほてりや発汗などに効果があるが、効果はやや弱い

  •補助的に使用される

◆心理療法

更年期症状には、「いらいら」「不安感」「うつ状態」など、症状の原因が精神的な問題にある場合もあります。

そのような場合には、心理療法が用いられます。

この療法は、日常生活に張りをつくるようにする、物事の考え方を変えてみるなど、心理的な側面から症状を軽減していく方法です。

担当の医師と話し合っていく中で、ストレスとうまく付き合っていく方法を見つけ、心の負担を軽くしていきます。

(注)治療に当たっては、必ず専門医(婦人科)にご相談すること。

更年期障害の予防は?

更年期障害の程度は、本人の性格、精神状態、周囲の環境などから影響を受けます。

まずは、生活習慣・生活環境の改善を図るのが基本です。

具体的には、以下のようなことを普段の生活の中で取り入れて下さい。

これらの取り組みは、更年期を迎えてからかかりやすくなる病気の予防にもなるので、更年期を迎える前から心がけましょう。

 ・栄養バランスに気を配った食事をとる

 ・趣味や仕事、ボランティア活動など何か打ち込めるものをもつ

 ・ウォーキングや軽いジョギングなどの適度な運動をする

まとめ

更年期障害の症状を軽くするには、まず専門医の検査を受けて更年期障害かどうかの診断をしてもらいましょう。

更年期障害だと分かれば、症状に合った薬物療法や心理療法などの治療を受け、不安を取り除くことが大切です。

更年期は、エストラゲンが減少することによって他の病気にもかかりやすい時期でもあります。

そのような病気を早く見つけるためにも、更年期障害のつらい症状を長引かせないためにも、体の不調を自覚したら専門医に相談しましょう。

さらに、更年期を迎える前から、予防策として生活習慣・生活環境の改善にも取り組み、更年期をうまく乗り切りましょう。

女性の更年期障害とは?原因は?症状は?経験も含めて説明します

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