骨粗鬆症とは?若い人でも心配あり?基礎知識と予防・改善策を紹介します

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骨粗鬆症が疑われる年齢は、遺伝や食生活、運動環境などにより大きく違ってきます。

「若いうちは大丈夫」と油断していると、気付かないうちに骨粗鬆症予備軍になってしまっているかもしれません。

スナック菓子や加工食品をよく食べている人は要注意です。

骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がないため、普段の生活では気がつきません。

手遅れにならないように、若いうちから自分の骨の健康状態に注意することが大切です。

ここでは、骨粗鬆症の基礎知識と骨密度を上げる方法について説明します。

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骨粗鬆症とはどんな病気?

骨粗鬆症とは、骨の密度が粗くスカスカになった状態のことを言います。

じつは、骨は毎日生まれ変わっていて、古い骨を溶かして(骨吸収)新しい骨をつくる(骨形成)ことで、丈夫な骨を維持しています。 

しかし、骨代謝がバランスよく働くのは18歳がピークといわれ、その後は加齢と共に骨代謝の機能は衰えていきます。

新しくつくられる骨の量よりも溶かされる骨の量のほうが多いと、骨が次第に細くなり切れていくのです。

この状態が進むと骨の中がスカスカの状態となり、骨粗鬆症となってしまいます。

骨の状態を判定する基準は?

骨の状態(骨年齢)を知るには、主に二つの指標、骨密度と骨質があります。

1.骨密度

骨密度は骨の強度を表す指標の一つで、骨に含まれるカルシウムの量を測定して知ることができます。

骨密度は20歳前後でピークに達し、40歳ぐらいまでほぼ一定ですが、女性の場合、閉経後に急激に低下していきます。

2.骨質

骨を丈夫に保つには骨密度はもちろん大切ですが、骨の質(骨質)も重要になります。

骨質(こつしつ)とは、骨の強さを左右するコラーゲンの質のことをいいます。

骨の構造を鉄筋コンクリートの建物に例えると、骨密度のカルシウムはコンクリートで、骨質のコラーゲンは鉄筋にあたります。

いくらコンクリートの量がたくさんあっても、鉄筋の役割である骨質が悪いと骨はもろくなってしまいます。

骨折のリスクを左右するのは、骨密度よりも骨質なのです。

骨密度を左右する意外な要因

骨密度を左右する要因は、食事のカルシウム摂取不足はよく知られていますが、それ以外に意外な要因があることがわかってきました。

1.「母親の骨密度」が影響

骨粗鬆症は遺伝します。

母から娘への骨密度の遺伝はじつに「6割」にもなることが分かっています。

母親や祖母の骨密度を見ると、骨密度が低くなりやすい体質かどうかがわかります。

2.「やせ型」であること

「やせ型」だと、体重による負荷が骨細胞にかかりにくく、骨への負荷が小さいのです。

また、脂肪が少ないと、脂肪に蓄えられる骨を強くする女性ホルモンも少なくなってしまいます。

3.骨密度には重力の影響が大きい

じつは骨密度を増やすには、体にかかる重力を大きくすることが重要なのです。

・背が高い人ほど骨密度が高くなる

身長が高いということはそのぶん体重もあるので、それだけ重力による負担が骨にかかるからです。

・やせ型のひとは、体重による負荷が骨細胞にかかりにくいので骨密度が下がります。

・運動の種類も骨密度に関係する

運動の中でも飛んだり跳ねたりして骨に負荷がかかる運動のほうが、骨密度を増やすことになります。

逆に、水泳は骨に負担をかけないので、水泳をしても骨密度は向上しないことが調査により分かっています。

・宇宙に長期滞在した宇宙飛行士も、重力の負荷がない宇宙環境では、骨の代謝バランスがくずれ、非常に速い速度で骨が失われます。

骨密度を測ったところ、大腿骨では平均して1ヵ月で1.0~1.5%ほど減少することが分かりました。

これは非常に大きな減少で、骨粗鬆症患者でも約1年かかって減少する量です。

骨密度を上げるには?

骨密度を上げるには、主に次の3種類の方法があります。

◆ 食事で骨密度を上げる

・食事でカルシウムを摂取する

1日あたり、およそ700mgのカルシウム摂取が理想

 1品だけでこの量をとるとすると

  牛乳ならコップ3杯

  豆腐なら2丁

  イワシなら10尾

  厚揚げなら1丁

  プロセスチーズなら120g(6Pチーズひと箱と一つ)

  ゴマなら60g(約1/2袋強)

これらの食品をバランス良く毎日の食事に取り入れてみてください。

・ビタミンD、Kも一緒にとる

カルシウムとビタミンD・Kを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。

ビタミンD:鮭、かれい、まぐろ、干シイタケ など

ビタミンK: 納豆 など

キノコ類(特に干シイタケ)や豆類、ホウレンソウなどを一緒に食べることをおすすめします。

・塩分などの摂り過ぎには要注意

塩分を摂りすぎるとカルシウムが尿に出てしまうので、塩分の多い食品の食べ過ぎには注意しなければなりません。

・加工食品(インスタント食品・スナック菓子など)も要注意

炭酸飲料やスナック菓子、加工食品(インスタント食品・スナック菓子など)などに多く含まれるリン酸塩もカルシウムの吸収を悪くするので、できるだけ避けましょう。

 ◆ 運動で骨密度を上げる

骨密度を上げるには重力のかかる運動が効果的です。

骨には重力をキャッチするセンサーがあり、大きな重力が加わると、カルシウムやコラーゲン繊維の量を増やそうとします。

こうすることで、骨はその重力に耐えられるように骨を強くするのです。

骨密度を上げるためにも、ウォーキング時に合間にスキップ動作を入れるなど、重力がかかる運動を心がけましょう。

その他、大きなジャンプを10回程度、週に2~3回でも効果があります。

これらの運動をしても支障がない人は、積極的にジャンプ系の運動を取り入れていきましょう。

※すでに骨粗しょう症になっている方、健康に自信のない方は必ず事前に医師にご相談ください。

◆ 日光浴で骨密度を上げる

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でもつくられます。

夏の直射日光を長時間浴びることは、皮膚が赤くなるなどダメージにつながりますが、適度な日光浴は骨の健康に役立ちます。

冬であれば30分~1時間程度散歩に出かけたり、夏であれば暑さを避けて木陰で30分程度過ごすだけで十分です。

積極的に外出する機会をつくって、上手に紫外線と付き合っていきましょう。

まとめ

骨密度は、18歳前後をピークに徐々に減っていきます。

年齢とともに骨密度が減少するのはどうしようもないことなのですが、少しでもその速度を遅らせることを考えなければなりません。

早めの骨密度検査で自分が将来骨粗しょう症になりやすいかどうかを知り、生活習慣の見直しなどにより骨密度の減少を最小限にとどめる対策を始めましょう。

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