更年期に気をつけたい精神疾患は?認知症との関係についても説明します

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更年期は、更年期障害の症状が現れるだけでなく、女性ホルモンの減少の影響を受けて自律神経が乱れ、精神面にも「自律神経失調症」などの症状が現れる場合があります。

この「自律神経失調症」の症状は、更年期障害の症状と似ているため軽視しがちですが、ほおっておいて悪化すると「うつ病」を併発するケースもあります。

そうならないために、注意するべき事項があります。

ここでは、更年期に気をつけたい精神疾患と、更年期障害と認知症との関係について説明します。

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更年期に気をつけたい精神疾患は?

◆自律神経失調症

更年期障害と自律神経は密接な関係があります。

更年期にはエストロゲン(女性ホルモン)の減少によって自律神経も影響を受け、ホルモンバランスが乱れます。

自律神経が乱れると、いろんな更年期障害の症状があらわれるようになります。

更年期障害の症状は身体だけではなく、精神面においても鬱や不安感などさまざまな形で現れます。

自律神経失調症は、不規則な生活習慣や過度なストレスを受けて自律神経のバランスが崩れることで起こります。

また、自律神経失調症の症状もさまざまで、以下の4種類があります。

・本態性型自律神経失調症

自律神経のバランスを崩しやすい体質の人に多いタイプです。

子供の頃から自律神経失調症の症状が見られ、発症の原因もストレスなど外的なものではありません。

・神経症型自律神経失調症

神経が過敏な人、特に自分の体や精神に異常に意識してしまうタイプの人です。

検査をしても異常が見つからない事が多いようです。

・心身症型自律神経失調症

環境の変化、感情変化など、日常生活の変化で発症する事が多いタイプです。

環境や感情の変化に対応が遅れる事で、ストレスが溜まり発症します。

症状は多種多様で、その程度の具合も人によって大きく違います。

自律神経失調症の中では、一番多いタイプの種類です。

・抑うつ型自律神経失調症

うつ病と間違えられる事が多いですが、抑うつ病と同じ様な症状が現われます。

うつ病と抑うつ病の違いは、簡単に言えば、うつ病は脳の病気、抑うつ状態は心理的な問題から起こるうつ症状です。

抑うつ型は、自律神経失調症と診断されにくいタイプでもあります。

精神的、身体的な不調が見られ、進行するとうつ病に発展する可能性の高いタイプです。

(注)更年期障害と自律神経失調症の症状は良く似ているため、自分で安易に判断してはいけません。

  専門医に相談しましょう。

◆うつ病

更年期の時期である40代から50代の頃は、子供が進学や就職、結婚などで独立したり、親の介護問題に直面したりと、環境の大きな変化によるストレスを感じやすい時期でもあります。

さらに、更年期を迎える女性が仕事を持っている場合は、家庭でのストレスだけでなく、職場でのストレスも重なってきます。

このような状況から、更年期障害とうつ病を併発する女性が増えていると言われています。

更年期障害で悩んでいる人の約2割以上の女性が、実はうつ病でも同時に悩んでいるという統計が出ています。

今まで更年期障害の症状としては、のぼせやイライラなどがあげられてきましたが、近年では無気力や、やたらと不安を感じることによる睡眠障害など、精神症状も多く見られるようになりました。

更年期のせいだろうと放っておいて、気が付かない間にうつ病にもなってしまっているケースも多いようです。

それは、うつ病の症状自体が更年期障害の症状とよく似ているために、両者の見極めがつきにくいのです。

また、エストロゲンが減少するとストレスに対する抵抗力が弱まり、感情のコントロールがきかなくなることもあると言われています。

うつ病を併発しないためには、以下のことに注意しましょう。

・不安感やイライラなどの精神症状が良くならない場合は、我慢せずに、精神症状についても相談して、治療を受ける

・悩みがある時は、一人でその悩みを抱えこまず、誰かに相談する勇気を持つ

・身近な人に相談できないときは、プロであるカウンセラーに相談する

・症状を緩和するために大豆イソフラボンなどを積極的に摂取する

・ストレスを溜めないように運動や趣味など集中できるものを見つける

もし更年期障害とうつ病を併発してしまった場合、薬物療法や心療療法も大切ですが、最も重要なのは心身共に休むことです。

家事をする気力がないなら家事代行を頼むとか、症状が重いようなら入院してみるとか、時には思い切った方法をとることも必要です。

更年期障害と認知症との関係は?

◆更年期障害と認知症との関係は?

認知症の1つであるアルツハイマー病は女性ホルモンのエストロゲンと深いかかわりがあります。

HRTでエストロゲンを投与した女性は投与していない女性と比べると、アルツハイマー病になりにくく、脳の血流がよくなり神経伝達物質の代謝がよくなるといったデータもあります。

また、更年期障害の症状が長引くことが認知症の原因のひとつになるということがわかってきました。

実際、更年期障害の症状には、ホットフラッシュ以外にも「記憶力の低下」という症状があります。

更年期障害の症状が表れているのに、一過性のものだからと何も治療せずに放置してしまった女性には、この記憶障害が生じやすくなります。

◆更年期障害による認知症の治療方法は?

更年期障害の代表的な治療方法に「ホルモン補充療法」があります。

認知症を予防するためには、更年期障害になってしまったらホルモン補充療法をうけておくことをおすすめします。

このときにホルモンの補充をしておくことで、認知症防止にもつながる可能性があります。

まとめ

更年期を迎えると、女性の体は大きく変わってしまいます。

骨粗鬆症や高血圧などの身体的な変化だけではなく、精神面でも変調をきたす場合があります。

更年期は女性にとって自分のからだをいたわる大事な時期だと考えて、生活を見直してみることが必要です。

更年期は、精神的にストレスを感じやすい時期でもあります。

ストレスをためないように、運動や趣味など集中できるものを見つけてください。

そして、一人で悩みを抱えずに、家族や友人、専門医に相談しましょう。

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