更年期の女性は、女性ホルモンの減少でコレステロール値が高くなりがちですね。
ほおっておくと動脈硬化などの生活習慣病の危険性が高くなってしまいます。
ここでは、女性ホルモンが減少するとなぜコレステロール値が高くなるのかについて説明します。
そして、50~60歳代の女性が食生活で特に注意する点、取り組みやすい運動についても解説します。
女性ホルモンとコレステロール値の関係
女性は、更年期になった頃から女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少していきます。
そのエストロゲンの急減がLDL(悪玉)コレステロールを増やしてしまい、更年期障害の一つとしていろいろな症状や病気を引き起こす原因になります。
LDLコレステロールを下げる食事
・エストロゲンを増やす
エストロゲンという女性ホルモンは、LDL(悪玉)コレステロールを抑え、逆にHDL(善玉)コレステロールを増やしてくれます。
食事でエストロゲンを増やすには、大豆イソフラボンが高い効果があるので大豆製品を特に多く摂るようにしましょう。
・肝臓の機能を高めるタウリンを摂る
LDLコレステロールを処理する力が低下すると、よりLDLコレステロールが血液中に溜まり動脈硬化などの原因になります。
その余分なLDLコレステロールを処理する肝臓の機能を高める食事を心掛けます。
それには、タウリンがコレステロール処理機能を高めるのに効果的です。
タウリンは、牡蠣、いか、ホタテなどの魚介類に多く含まれているので、意識的に摂るようにしましょう。
・LDLを増やさずにHDLを増やす
LDLコレステロールを増やさないようにするには、脂分、炭水化物、糖分を減らします。
食物繊維を多くとることも基本になります。
・油はオリーブオイルがベスト
コレステロールが気になる人は、オレイン酸が含まれる油がおすすめです。
オレイン酸は、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステイロールを増やす効果があります。
また、肝臓に脂肪が蓄積することを抑えてくれるので、コレステロールを下げたい人にはベストのオイルなのです。
さらに、オリーブオイルを適度に毎日摂取すると、悪玉コレステロールを減らす効果も期待できます。
ただし、オリーブオイルもオイルなのでそれなりのカロリーがあるため、摂り過ぎには注意しなければいけません。
参考:サフラワー油、大豆油、コーン油などのリノール酸は、悪玉コレステロールを減らす代わりに善玉コレステロールも減らしてしまいます。
その上、免疫力を低下させてしまうというデメリットもあります。
・肉類は種類に注意
タンパク質である肉類は大事な栄養源なので、しっかりとらなければなりません。
ただし、肉によってはコレステロールを多く含むものもあるので要注意です。
そこで、一番お勧めなのが、コレステロールがほとんどない鶏肉です。
鶏肉の場合、皮以外ほとんどコレステロールはないと言われています。
他にも、羊の肉は中性脂肪を減らすL-カルチニンが豊富なのでおすすめです。
牛ならロースよりモモ肉、豚は肩ロースやモモロースよりヒレの方がずっと脂肪が少ないのですが、コレステロールは含まれます。
注意が必要なのは、脂分の多い霜降りなど脂肪分の多い肉です。
できるだけ赤身を選ぶようにしましょう。
またハムやソーセージも、製造時に脂分を相当混ぜて作られているので避けるほうが無難です。
挽肉も意外と脂分が多いので注意が必要です。
またどの肉でもレバーはとてもコレステロールが多いので控えます。
・コレステロールを考えた調理法
できるだけ油分を使わない調理法がお勧めです。
1.蒸す(電子レンジで加熱してもOK)
2.ゆでる
3.グリルで焼く(魚や肉などグリルで焼くことにより油を落とすことができる)
4.煮る
5.蒸し焼き
カロリーや脂質を抑えながら、大豆製品やタウリンを多く含む牡蠣、いか、ホタテなどの魚介類、オリーブオイル、鶏肉などを組み合わせてとり入れていくことがポイントです。
食事は1回だけではなく、毎日の積み重ねが大切です。
無理をせず、簡単にできる工夫をすること、バリエーションを豊富にすることが続けるコツです。
更年期の女性に向くコレステロールを下げる運動
運動でコレステロールを下げるには、有酸素運動を20分以上続けると効果があります。
有酸素運動とは、ウォーキングや水泳のように酸素を体に取り入れながら時間をかけて継続して行う運動です。
しかし、普段からあまり運動をしていない人は、ウォーキングや水泳を20分以上続けるのは無理と思われるかもしれません。
そんなひとは、できる範囲で体を動かすことから始めましょう。
例えば・・・
・1回10分でもいいので、近所を散歩してみる
・TVのラジオ体操を一緒にしてみる
・TVを見ながらでいいので、椅子に座って膝から下をのばしたり曲げたりする
・膝を伸ばして床に座って上半身を前に倒し、ストレッチをする
・いつもより念入りに掃除をする
始めから意気込んで無理をして続かなければ意味がありません。
それより、「こんなことでいいの?」くらいから初めて、体を動かすことの気持ちよさを感じてください。
体を動かすことに慣れてきたら、徐々に時間を増やしたり、強度をあげていくようにしましょう。
そして、最終目標を1日30分のウォーキングにするのです。
プールに通える環境であれば、水中ウォーキングならさらに効果があります。
夏の暑い時期なら、水に入るだけでも気持ちがいいものです。
とにかく、体を動かすことを習慣にしてしまいましょう。
まとめ
更年期になって女性ホルモンが減少することは、ある程度は仕方がないことですね。
でも、それによってコレステロール値が高くなってしまうことに対しては、対策を講じなければなりません。
それは、食生活の改善と運動習慣を身につけるということになりますが、長続きさせるにはちょっとしたコツがあります。
食生活にしろ運動にしろ、「無理をせずにできる範囲で続ける」ということです。
完璧でなくてもやった分は効果があるので、あきらめないで続けることが大事です。
気楽に気長に取り組みましょう。