中高年女性に多い非結核性抗酸菌症(肺MAC症)とは?症状と治療法を解説

咳
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「結核」はほとんどのかたがご存じのメジャーな病名ですが

「非結核性抗酸菌症」という病名を聞いたことがあるかたは

少ないのではないでしょうか。

近年、結核が減少しているのに対して、この「非結核性抗酸菌症」は増加しているのです。

特に中高年の女性に多く、次いで80代の男性にも多く見られます。

非結核性抗酸菌症にかかる人の割合は、虫垂炎(盲腸)と同じくらいなので

とくに珍しい病気というわけではありません。

「非結核性抗酸菌症」は一言で言うと肺炎の一種なのですが、

他の肺炎と比べるとその症状や治療法に特徴的な面があるので

ここで「非結核性抗酸菌症」について詳しく取り上げてみようと思います。

もし思い当たる症状がある方は、呼吸器内科の診察を受けられることを

強くおすすめします。

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非結核性抗酸菌症とは?

肺炎は大きく分けて

1.細菌性肺炎

2.ウイルス性肺炎

3.非定形肺炎

の3種類があります。

非結核性抗酸菌症はこのうちの「細菌性肺炎」に分類されます。

抗酸菌症は結核と非結核抗性酸菌症に分けられます。

なぜこの2種類に分けられるかというと

1.結核は人から人へ感染するが

 非結核性抗酸菌症は人から人へは感染しない

2.結核は不治の病としてよく知られ、命にかかわる病気でしたが

  (現在は薬物治療で完治する)

 非結核性抗酸菌症は重症化しにくく、すぐさま命にかかわる病気でなない

という対照的な特徴があるためです。

結核は昭和20年代までは死亡率が高く

人から人に感染する大変怖い病気でした。

そのため、結核についての研究が進み

現在では有効な治療法(薬物治療)が確立していますが

非結核性抗酸菌症は研究が遅れており

完治するケースはまれです。

治療法は主に薬物治療で

症状を軽くしたり進行を遅らせたりするということになります。

ただし、非結核性抗酸菌症は進行が大変遅く(10~20年)

数年で死に至ることはほとんどありません。

非結核性抗酸菌症の症状は?

非結核性抗酸菌症の症状は、その他の肺炎とは少し違います。

その他の細菌性の肺炎やウイルス性の肺炎などは

激しい咳や発熱などが特徴的なのですが

非結核性抗酸菌症は激しい咳が出ることは少なく

検診時の胸部エックス線検査の異常から精密検査を受けて

見つかることもよくあります。

菌が増えるスピードによって症状は変わり

咳、痰、発熱、体重減少などの症状が出ることもありますが

どの症状も結核と比べると軽く、
 
ほとんど症状が出ないこともあります。

病気の進行はとても遅いことが多く

10~20年のうちに進行する場合もあれば

もっと早く進行することもあります。

非結核性抗酸菌症の原因は?

結核菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こります。

非結核性抗酸菌は土や水など私たちの周りに普通に存在している菌で

結核菌とは違い、人から人には感染しません。

非結核性肺抗酸菌症の菌の種類は150種類くらいありますが

最も多くみられるのはMAC菌(マック菌)で

約80%を占めています。

非結核性肺抗酸菌は浴室のシャワーヘッドなどぬめりのあるところや

畑などの土の中にあるので

みんながその菌を吸っているのですが

ほとんどの人は排出してしまい何も問題はありません。

ほんの一部の人だけがその菌に感染し非結核性肺抗酸菌症にかかります。

(年間約8,000人が発症)

中高年の女性に多くみられるのは

非結核性抗酸菌は、水回り、水道、浴室など湿気のあるところに多くいるため

家事のあいだに蒸気にのった病原菌を吸い込んでしまうことが

関係しているのではともいわれています。

また、非結核性抗酸菌は土の中にも多く存在するため

庭でガーデニングをする方に多いという報告もあります。

免疫力が低下しているからかかりやすいというわけでもなく、

非結核性肺抗酸菌症にかかるかかからないかの決定的な違いは

わかっていません。

非結核性抗酸菌症の検査方法は?

治療法を検討するには

非結核性抗酸菌のなかのどの菌かを特定する必要があります。

非結核性抗酸菌症は多くの菌の種類があり

菌の種類によって効果がある抗生物質が違うからです。

間違った抗生物質を使うと菌が耐性化してしまい効かなくなるため

菌の種類を特定することがとても重要になってきます。

◆非結核性抗酸菌症(肺炎)かどうかを調べる検査としては

1.レントゲン

2.CTスキャン

◆菌の種類を調べるには以下の方法があります。

1.血液検査

 「キャピリアMAC」という検査法が陽性なら

 かなりの確率でMAC症だということがわかります。

 ただ、どの程度進行しているかなどはわかりませんし

 100%正確な訳ではありません。  

2.痰の検査

 喀痰の中に2回MAC菌が培養で確認されれば確実ですが

 必ずしも痰の中にMAC菌が出ない場合もあり

 出なかったからといって
 
 MAC症ではないと判断することはできません。

 また、菌を培養するため

 結果が出るまで6週間くらいかかることもあります。

3.気管支鏡検査

 痰で菌が出ない場合は

 気管支鏡検査で検体をとり培養します。

 こちらも結果が出るまで2週間程度かかります。 

非結核性抗酸菌症の治療法は?

非結核性抗酸菌症の診断が出た場合

今後の治療方針について検討することになります。

治療は、非結核性抗酸菌症の進行の程度、症状、患者の年齢などによって

いくつかの選択肢があります。

1.症状が軽い場合または高齢の場合

 特に治療はせずに経過を観察します。

 病気の進行が遅いため、高齢の場合は生活に支障がなければ

 患者の負担を考えて様子を見ることもあります。

2.症状が中程度の場合

 一般的には薬物治療を最低1年半継続して経過をみます。

 非結核性抗酸菌の約80%を占めるMAC菌については

 効果が認められている抗生物質があるため

 症状や肺の影が悪化してくる場合には

 薬物治療が行われます。

 薬は3種類、最低1年半の服用が必要になります。

 (3種類の抗生物質を使うのはMAC菌が耐性を持つのを防ぐため)
 
 薬物治療では約70%の患者に

 症状が軽くなるなど効果が表れます。

 薬物治療のデメリットは

 この菌の増殖スピードが大変遅いため

 薬の効きめが現れるまでに時間がかかり

 かなりの量の抗生物質を長期間にわたって服用するため

 副作用の心配があります。

 ですので、薬物治療をしている間は

 副作用の有無をチェックすることが必要です。

 70%程度の効果が確認されている薬物治療ですが

 それでも菌が完全に消えることはほとんどありません。

3.症状が重症化している場合

 肺の空洞化や薬が効きにくい気管支拡張がおきている場合は

 手術を行うこともあります。

 ただし手術を行うには

 ・取り除く必要のある病変が一か所にかたまっていること

 ・手術に耐えられる体力と肺機能があること

 などの条件があります。

4.治療終了後の定期観察

菌が完全になくなることはまれなので

再発しないか定期的にレントゲン検査で確認し

再発すれば治療を再開することになります。

まとめ

非結核性抗酸菌症は激しい症状はあまり現れませんが

完治することもほとんどありません。

したがって、最後までつきあっていかなければならない病気です。

治らないことに悲観的になるかたもおられるかもしれませんが

完治しない病気はほかにもあります。

例えば高血圧や糖尿病などもずっと日常生活に気をつけ

薬を飲み続けなくてはなりません。

マイナス面ばかり考えると悲観的になってしまいますが

プラス面もあります。

・定期的に診察を受けるので体の状態が把握できること

・自分の体の状態に注意し、無理をしないよう心がけるようになること

など、年齢をかさねるに従って気をつけなければいけないことを

自然に気付かせてくれます。

また、非結核性抗酸菌症は人から人へは感染しないので

日常生活に制限はなく、普通に仕事もできます。

安静にしていると治るとか体を動かすと重くなるとかいうものでもないため

スポーツを楽しむこともできます。

つまり、普段通りの生活を続けながら

経過観察を長期的にしっかり続けていれば

心配はいらないということです。

一番大事なことは

信頼できる呼吸器内科の先生に主治医になっていただき

定期的な経過観察を続けることですね。

そのうえでこれまでの暮らしを普段通りに続け

これからも変わらず生活を楽しみましょう。

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コメント

  1. 山岸  より:

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  2. 山岸 正幸  より:

    飲めるエッセンシャルオイルを扱っている所の住所、電話番号を教えてくださいお願いします。

    • phd00725 より:

      山岸 正幸様

      メールをいただきありがとうございます。

      返信が遅くなりすみません。

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                  今道 宏子