電化製品の処分は、ものによっては「家電リサイクル法」の対象となり、決められた処分方法を守らなければなりません。
「無料で引き取ります」といううたい文句を掲げている回収業者もいるようですが、これらの業者は違法なのでは?
そんな疑問にお答えし、ここでは、「家電リサイクル法」、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機の処分方法、してはいけない家電の処分方法について説明します。
(注)「家電リサイクル法」の対象とならない家電の処分については、各市町村で決められています。
お住まいの市区町村のルールに従って処分してください。
家電リサイクル法とは?
◆家電リサイクル法が制定された目的は?
小売業者、製造業者等が家電製品等の廃棄物の収集、再商品化等を正しくスムーズに行なって、廃棄物を適正に処理し資源を有効に利用するため
◆家電リサイクル法の内容は?
関係者それぞれの役割や、消費者の費用負担額、対象機器などを定めています。
◆ 対象機器がエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機に指定された理由は?
家電製品を中心とする家庭用機器の中で、以下の4つの条件を満たすことから、平成10年12月にこれら4品目を対象機器として指定しています。
・市町村等による再商品化等が困難
・再商品化等をする必要性が特に高い
・設計、部品等の選択が再商品化等に重要な影響がある
・配送品であることから小売業者による収集が合理的であるもの
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機の処分方法は?
「家電リサイクル法」は経済産業省が制定した法律で、日本全国共通の決まりです。
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機は、有用な資源のほか、オゾン層の破壊や地球温暖化を引き起こすフロンガスや有害な鉛、水銀などを含んでいるため、法律に基づく適切なリサイクルが必要です。
そのため、家電リサイクル法では、対象機器であるエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機の処分方法について定めています。
◆エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機を処分する方法は?
1.買い換えの場合
新しいものを購入して利用する場合は、新しく購入する小売店に収集義務があります。
ここで発生する費用はリサイクル料金+収集運搬料金。
2.処分する場合
完全に処分をしてしまう場合には、過去にその家電を購入した小売店に収集依頼をする。
過去にその家電を購入した小売店にも収集義務があります。
ここで発生する費用はリサイクル料金+収集運搬料金。
3.郵便局でリサイクル券を買って、指定取引場所へ直接搬入する
小売店が遠方にあったり、廃業していて依頼できない場合や、自分で処分した方が早い場合には、この方法がベストです。
流れとしては、
郵便局でリサイクル料金を支払い、リサイクル券を手に入れる
↓
地域が指定する指定取引場所まで直接搬入する
または、指定の業者まで収集依頼をする
(この場合は収集運搬料金が発生します)
◆リサイクル料金は?
(大手家電メーカーの例) ※平成27年4月1日現在
• エアコン : 1,404円
• テレビ : (小型)1,836円
(大型)2,916円
• 冷蔵庫・冷凍庫 : (小型)3,672円
(大型)4,644円
• 洗濯機・衣類乾燥機 : 2,484円
(注) 製造メーカーによって回収料金が異なるので、確認しておきましょう。
◆家電リサイクル券とは?
廃家電を引き渡すときに、リサイクル料金と収集運搬料金を支払う必要があります。
また、回収してもらうには「家電リサイクル券」に必要事項を記入しなければなりません(回収時、または店頭での記入)。
引渡し時に、控えを渡されます。
この控えでお店やホームページでリサイクル状況を確認することができます。
このように家電リサイクル券は、自分の廃家電がきちんとメーカーに引き渡されたかどうかを追跡できる書類です。
大切に保管しましょう。
引取りを依頼した場合、指定された回収日時に回収業者が訪問します。回収してもらうには「家電リサイクル券」に必要事項を記入しなければなりません(回収時、または店頭での記入)。
引渡し時に、控えを渡されます。この控えでお店やホームページでリサイクル状況を確認することができます。
家電の処分でしてはいけないことは?
◆廃棄物処理法の許可を得ていない回収業者に出さない
ご家庭から廃棄物を回収するには、「一般廃棄物処理業」の許可、又は「市町村の委託」が必要です。
無許可業者によって回収された廃家電が不法投棄、不適正処理された事例や、高額な処理料金を請求された事例も報告されています。
◆粗大ゴミシールを貼って、ゴミ捨て場に置かない
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は粗大ごみではありません。
粗大ごみ置き場に置いておくのは違法で、刑罰の対象となるので要注意です。
まとめ
現代の生活になくてはならない家電ですが、不適切な処分をすると、深刻な環境破壊につながるおそれがあります。
将来の環境を守るために制定された「家電リサイクル法」。
消費者である私たちにもリサイクル費用などの負担がかかります。
無料で回収してくれる無許可の業者もありますが、そんな違法の業者に家電を出すなど安易な行動は、環境汚染につながります。
環境汚染が進んでしまう前に、一人ひとりが環境を守る意識を持って、できることをきちんと実行していきましょう。
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