診察が必要な頭痛とは?そうでない場合との見分け方は?

616134
スポンサードリンク

頭痛は、ほとんどの人が経験したことがある症状ですね。

頭痛のほとんどは命にはかかわらない「こわくない頭痛」なのですが、一部には放っておくと命にかかわる「こわい頭痛」があります。

これを区別して対処しないと、取り返しのつかないことになる場合があります。

ここでは、どうすれば「こわい頭痛」を見分けられるのか、その見分け方について説明します。

スポンサードリンク
  

頭痛の種類

頭痛には、大きく分けて二通りあります。

1.特に病気で起こるわけではない「こわくない頭痛」

① 日常的に起こる頭痛

 風邪や二日酔い等が原因の頭痛

 原因が解消すれば自然に治る

② 慢性頭痛

・片頭痛(偏頭痛)

ズキンズキンと痛むタイプの頭痛で、多くは頭の片側に起こります。

発作的に起こり、吐き気を伴う場合もあるとてもつらい頭痛です。

身体を動かすのが辛くなり、光や音の刺激で悪化したり、匂いに敏感になったりします。

周期的に起こり、仕事の妨げになることもあります。

・緊張型頭痛

肩こりなどの緊張に伴う頭痛です。

いわゆる「けんびき」のある人によく起こります。

頭痛の中で最も多いもので、重苦しく、締め付けられる感じがする頭痛です。

また、ストレスの影響が大きく、パソコンを長時間使用する人や、運転手さんにもよくみられます。

・群発頭痛

頭痛がある期間に集中して、片目の奥に起こるもので、七転八倒するほどのたまらない痛さです。

男性に多いのも特徴です。

2.脳などの病気によって起こる「こわい頭痛」

① くも膜下出血

 ・突然の激しい頭痛でまず疑われる病気です。

 ・典型的な症状は「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」で、「バットで殴られたような」と表現されることもあります。

 ・出血がひどい場合は、激しい頭痛に嘔吐(おうと)、けいれん発作などを伴い、意識を失うこともあります。

  数秒から数時間で意識は回復しますが、なかにはこん睡状態に陥り、そのまま死に至ることもあります。

 ・まれに激しい頭痛がないこともあり、注意が必要です。

 ・くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤という血管のコブが破裂することで起こるものです。

  そのため、ガーンとする衝撃感、気が遠くなる感じや、めまい感などの異変が、いきなり起こることが特徴です。

② 脳腫瘍

 ・頭全体あるいは一部に圧迫感や頭重感、鈍痛が続き、突然吐いたり、けいれん発作を起こしたりします。
 
 ・脳腫瘍による頭痛は、腫瘍のために脳内の圧力が高まることで起こります。

  とくに起床時に強く、起床後しばらくすると軽減するケースが多いようです。

 ・腫瘍の大きさが増すにつれて、常に痛みや頭重感を覚えるようになり、頭痛が日を追うごとにひどくなっていきます。

 ・腫瘍のできた脳の部位によって、頭痛以外にもさまざまな症状があらわれます。

  たとえば、視力が低下する、視野が狭くなる、物が二重に見えるといった視力障害や、手足に力が入らない、動かせないといった運動麻痺(まひ)、あるいは耳鳴りやめまいが生じることもあります。

 ・脳腫瘍がすべて悪性のものというわけではなく、適切な治療を受ければ元の生活に戻れることも多いので、気になる症状があれば早めに受診することが重要です。

③ 脳出血

 ・脳の動脈が破れて脳の中に出血し、血液のかたまりができて脳を内側から圧迫するために頭痛を起こします。

 ・頭痛は徐々にひどくなり、なかには吐き気や嘔吐を伴うケースもあります。

 ・麻痺やしびれなどの神経症状を伴い、手足がしびれてうまく動かせない、ろれつがまわらない、物が二重に見えるといった症状がみられるのが特徴です。

 
④ 感染症(髄膜炎)

 ・後頭部が強く痛んで首すじが硬直し、吐き気や嘔吐、38~39℃の高熱を伴います。

 ・髄膜炎の頭痛は、体を動かしたり、頭を振ったりすると痛みが強まります。

 ・ウイルスの感染によるウイルス性髄膜炎は、自然に治ることが多いのであまり心配はありません。

 ・細菌の感染による細菌性髄膜炎は、治療が遅れると死に至る場合もあります。

  高熱を伴う強い頭痛が起こったときは細菌性髄膜炎を疑って、早急に医師の診察を受けることが大切です。

⑤ 脳動脈解離

 ・動脈の内膜に亀裂が生じてそこから血液が入り込み、動脈の壁が裂けてしまう病気です。

 ・交通事故などの外傷後に起こる場合と、格闘技などのスポーツや日常生活で何気なく首をひねったり伸ばしたりしても起こる場合があります。

 ・脳動脈解離が起こると、うなじから後頭部にかけて急に痛くなり、血管にこぶ(解離性脳動脈瘤)ができたり、血管の中が狭くなったりします。

 ・痛みが生じた数日以内に、脳卒中(こぶが破れるとくも膜下出血、血管が詰まると脳梗塞)を引き起こすことがあります。

  

⑥ 慢性硬膜下血腫

 ・頭をぶつけた後などに、頭蓋骨の内側にある脳を覆う硬膜とくも膜の間にじわじわと出血が起き、血のかたまりができた状態です。

 ・小さいうちは無症状ですが、血液の量が増えて血腫が大きくなると脳を圧迫し、けがをしてから1ヵ月頃から痛みがじわじわ拡がり、徐々にひどくなります。

 ・歩行障害、手足の麻痺、物忘れなどの認知機能障害もあらわれます。

 ・首を振ると痛みがひどくなるのも特徴です。

 ・頭にそれほど強い外傷を受けなくても起こることがあり、酔っ払っていると頭を打ったことを覚えていないこともよくあります。

  

⑦ その他の病気

 高血圧、低酸素血症、頭蓋骨・頸・眼・耳・鼻・副鼻腔・歯・口の病気によるものなどがあります。 

「こわくない頭痛」と「こわい頭痛」とを見分ける注意点

「こわくない頭痛」と「こわい頭痛」とを見分ける注意点をまとめると、以下のようなものがあげられます。

•突然の頭痛、今まで経験したことがない頭痛

•いつもと様子が違う頭痛

•日に日に起こる回数が増え、痛みが増していく頭痛

•シビレ・マヒなどの神経症状を伴う頭痛

•癌などの病気を持っている方の頭痛

•発熱・嘔吐などを伴う頭痛

これらが当てはまる場合は、「こわい頭痛」でないかどうか、一度専門医のいる病院で診断を受けましょう。

まとめ

「こわくない頭痛」と判断するためには、「こわい頭痛」を起こしている病気ではないことの確認が必要です。

そのためには、いつもとちょっと違うと感じた時は、すぐに専門医の診察を受けましょう。

早期に頭痛の原因が分かれば、早くそれに合った対処ができます。

少しでも早く頭痛を軽くするために、日頃から自分の体の状態を把握し、痛みを客観的に分析するように努めましょう。

子供の頭痛についてはこちら

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする