お子さんがクラブ活動で怪我をしたり、お父さんがぎっくり腰になったりなど、整形外科にお世話になる機会は割とありますね。
どんな整形外科で診察を受けるかによって、その後の治療の進み具合が大きく違ってくるのです。
ですから、いい整形外科を選ぶことがとても重要になってきます。
ここでは、いい整形外科とはどんな整形外科か、またいい整形外科を見つけるにはどうしたらいいかについて、経験も踏まえて説明します。
いいかげんな整形外科が存在する?
正確な診断をしてくれない整形外科が存在するという証拠として、私の経験をお話します。
最初にちゃんとした整形外科に行かなかったために、40年も靭帯が切れていることを知らないまま過ごしてきました。
◆最初の整形外科
私は約40年前バスケの試合中に左膝をねじってしまい、歩くのも痛いほどパンパンに腫れました。
このままほおっておいてはいけないと思い、その日の夜下宿の近くの整形外科を受診しました。
先生は、「血がたまっているので抜きます。」といって注射器で血を抜いて、それで終わりでした。
どこがどうなっているのか、これからどうしたらいいのかなどの説明は、何もありませんでした。
初めての怪我でどうしたらいいかわからず、こちらからも何も聞けませんでした。
知識がなかった私は、大したことはないのかなと思ってしまいました。
◆2件目の整形外科
それでも、痛みや腫れはなかなかひかないので、友達に教えてもらった別の整形外科で診てもらいました。
そこでは、半月板が損傷しているとの診断でした。
治療は、足の付け根から足首までギブスで3ヶ月固定し、その間に自然に治るのを待つというものでした。
ギブスが取れると、左足は全体にすっかり細くなり、膝は少し曲げた状態のままで曲げることができませんでした。
それでも、日常生活には支障がない程度には治り、そのまま何事もなく普通に生活していました。
5年ほどたったころ、地域の運動会のリレーに出てほしいと言われ、走れるかどうか試してみました。
ダッシュしたとたんに、治療したはずの膝が捻挫状態になってしまいました。
歩くのも痛く、我慢して仕事に行っていましたが限界だと思い、再びギブスをしてもらった整形外科に行きました。
結局、手術で半月板を取り去り、再生させることになりました。
無事に手術は済み、これでテニスでもスキーでもできるとのことで安心して退院しました。
リハビリに通うよう言われていたのですが、仕事が忙しく、リハビリは結局1度もいけませんでした。
普通に生活を始めたのですが、なんとなく手術した膝が不安定な感覚があり、ねじが何本かはずれているような感じがありました。
でも、手術までしてもらったのだから完治しているはずと思いこんでいました。
◆3件目の整形外科
そのまま30年くらいたったころ、娘がクラブ活動で足を痛めてしまい、整形外科を受診しないといけなくなりました。
姉からスポーツ専門の整形外科があると聞いて、連れて行きました。
そこでの診察の説明がわかりやすく納得がいくものだったので、後日自分も診察を受けました。
ベッドに寝て足を曲げたり伸ばしたり回したりしてもらっただけで、先生は「前十字靱帯が切れてるなあ」とおっしゃいました。
けがから40年たって、3件目でやっとわかったのです。
35年前の手術のときに靱帯が切れていることがなぜ分からなかったのか、という疑問が残ります。
そして、最終的には、前十字靱帯が切れていると診断して下さった整形外科で、再び手術することを決めました。
いい整形外科を見つけるにはどうしたらいい?
長々と私のケースをお話ししましたが、きちんとした診断をしてくれない整形外科に行くとどうなるかということをお伝えしたかったのです。
2度目の手術のために入院した整形外科で、同室になったかた(二人)も、最初に行った整形外科は何の説明もなかったと言っておられました。
ですから、近くだからとか、行ったことがあるからなどの理由で整形外科を決めるのではなく、きちんとした診断ができるところかどうかで決めるべきなのです。
では、どうしたらそのような整形外科を見つけることができるのでしょうか。
ポイントは、3つあります。
1.実際に整形外科にかかっているか、かかったことのある知り合いに詳しく聞く。
近くの病院であればやはり地元の人の評判は有益な判断材料です。
その場合、わかりやすく説明をしてくれたか、質問に丁寧に答えてくれたかについて確認する。
また、現在の状況やこれからどのような治療をするのか、また日常何に気をつければ良いのかということを親身になって教えてくれたかどうかも大切なポイントです。
2.自分の症状にあった専門医を見つける
インターネットでHPをみると知りたいことのほとんどを調べることができます。
診療実績や手術数や、専門の分野は何か、どのような方針のもとに診療を行っているか等を確認します。
それにより、自分の症状にあった専門医を見つける事ができます。
3.リハビリに対応しているか
整形外科の場合リハビリを伴うケースがほとんどなので、理学療法士の先生やリハビリの設備が充実していることも重要になってきます。
診察や手術を受ける病院が遠方なら、近くのリハビりを診てもらえる病院を紹介してもらえると助かりますね。
まとめ
一口に整形外科といっても、その診察内容はさまざまです。
本来、整形外科の看板をあげているなら責任のある診察をするべきなのに、専門家の仕事ではないと思うような整形外科が今でも存在していることに驚きます。
ですから、診察を受ける側がいい整形外科を見つけ出すしかないのです。
これから整形外科を受診するかたは、情報を収集した上で、納得のいく診察と説明をしてくれる整形外科を受診してください。