「胸やけ」は、ほとんどの人が一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
あの何とも言えないいやな感じは、何度も経験したくありませんよね。
胸やけは、どんな時に起きるかによって食道炎の心配があるので、注意が必要です。
ここでは、胸やけの症状と原因、なってしまった時の対処法と予防法について解説します。
胸やけとは?
胸焼けは、胸の真ん中あたりが焼けつくように感じたり、胸が締めつけられるように痛んだりする食道の不快な症状のことをいいます。
胃酸がたくさん出過ぎたりお腹を圧迫されたりすると、食道と胃のつなぎ目で逆流を防いでいる筋肉がゆるみ、胃の内容物が食道に逆流してしまい、胸やけが起こるのです。
原因は、暴飲暴食、刺激の強いものやアルコール、カフェインなどの摂り過ぎが多くを占めています。
胸やけにもいろいろある
一般的に、胸やけは食後に起こりやすいのですが、空腹時や朝起きた時にも起こることがあります。
以下に、それぞれの原因について説明します。
◆食後の胸やけ
胸やけは、一般的に食後に起こりやすいものです。
その理由は、胃に食べたものが入ってくるとそれを消化したり、一緒に入ってきた細菌を殺菌する胃酸や消化酵素の分泌が活発になるためです。
◆空腹時の胸やけ
しかし、空腹時にも胸やけがするという場合があります。
それは、ストレスなどの影響で、空腹時にも胃酸が過剰に分泌されてしまう「胃酸過多」になっていることが考えられます。
食事のときに分泌された胃酸は、胃の中の食べ物と混じり合って、酸が中和されています。
しかし、空腹時に分泌された胃酸は、強い酸性度がそのままなので、逆流すると、食道の粘膜を荒らすことになってしまいます。
空腹時の胸やけは、「胃酸過多」によるもので、「胃酸過多」を起こしやすい病気には、「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」、「慢性胃炎」等があります。
◆朝の胸やけ
朝起きたときに胸やけになる場合は、「胃食道逆流症」の心配があります。
胃食道逆流症とは、胃酸や胃の内容物が食道に逆流するために起こる病気の総称です。
胃食道逆流症の人が朝起きた時に胸焼けを感じるのは、眠っているとき胃と食道の高さが同じくらいになる姿勢に原因があります。
起きているときは食道よりも胃が下にくるので、胃の内容物が逆流しても、比較的簡単に胃に押し戻すことができます。
しかし、寝ているときは、胃と食道の高さが同じくらいになるので、逆流が起こりやすい上に、逆流物が食道の中にたまってしまいやすいのです。
「胃食道逆流症」の代表的なものに、「逆流性食道炎」、そして「非びらん性胃食道逆流症」があります。
・「逆流性食道炎」は、ほとんどの人が耳にしたことがある病名だと思いますが、これは、逆流した胃酸によって、食道の粘膜が炎症を起こしている状態です。
・「非びらん性胃食道逆流症」は、強い胸やけがあるものの内視鏡検査では炎症などの異常が見つからないという特徴があります。
これは、ストレスなどの影響で、食道粘膜が過敏になり、健康な状態なら炎症を起こすほどではない逆流でも、胸焼けを起こしてしまうのです。
胸やけになった時の対処法・予防法は?
◆胸やけになった時の対処法
胸やけとは、胃酸が過剰に分泌されて食道に不快感が現れる症状のことです。
ですので、胸やけの症状を軽くするには、自分でできる応急処置としては、常温の牛乳や水を飲んで食道を洗い流すのが効果的です。
逆流物を洗浄できるので、胸やけが楽になります。
◆胸やけの予防法
○食後の胸やけの予防法
・暴飲暴食をしない。
・刺激の強いものやアルコール、カフェインなどを摂り過ぎない。
○空腹時の胸やけの予防法
・暴飲暴食をしない。
・刺激の強いものやアルコール、カフェインなどを摂り過ぎない。
・ストレスの軽減
ぬるめのお風呂にゆっくりつかるなどリラックスする
○朝の胸やけの予防法
1.少し上体を高くして寝ること。
胃よりも食道の位置が高くなって、逆流しにくくなります。
ただし、枕を高くするのではなく、腰から上が少し高くなるようにするのがポイントです。
ベッド:頭側のベッドの脚の下にレンガを1つ分の高さの物を置く
布団:布団の枕の下に本などをおいて、板を渡して頭に向けて高くなるようにする
2.夕食(お酒を含む)は、最低でも寝る2〜3時間前までに済ませる
食後は、胃液が大量に分泌されるので、逆流を起こしやすくなります。
ある程度胃の中が落ち着いてから布団に入るようにしましょう。
3.夕食は腹八分目にして、脂っこいものは控えめにする
食べたものがうまく消化できるように、食べ過ぎないことと脂っこいものを控えることも大切です。
まとめ
胸やけは
1.一般的には、食後胃に入ってきた食べたものを消化したり細菌を殺菌する胃酸や消化酵素の分泌が活発になるために起こります。
2.空腹時や朝にも胸やけになることがあり、空腹時の胸やけは「胃酸過多」によるもので、「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」、「慢性胃炎」等の心配があります。
3.「胃酸過多」の予防には、暴飲暴食をしないなど、胃に過度の負担をかけないようにすることです。
食後の胸やけを感じたら、上記の予防策を実行して、胃潰瘍等にならないように胃を大切にしましょう。