暑い季節になると、赤ちゃんの熱中症が心配ですね。
熱中症は、高体温が長時間続くと命にかかわることもある怖い病気です。
大人と違って、赤ちゃんは体温調節の機能が未熟なため熱中症にかかりやすいので、特に注意が必要です。
また、赤ちゃんは自分でのどの渇きなどを訴えることができません。
そのため、周囲の大人は、熱中症について正しく理解し、その予防と対処法について知っておくことが重要となります。
ここでは、赤ちゃんが熱中症にならないようにするには何に気をつけたらいいのか、もし熱中症になってしまったらどうすればいいのかについて説明します。
赤ちゃんの熱中症の原因は?
一般的には、熱中症にかかりやすい環境は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなどであることが分っています。
1.赤ちゃんが熱中症にかかる原因は、暑い屋外にいたり、屋内でも湿度の高いところに長時間いることだけではありません。
エアコンなどで十分な暑さ対策をしていても熱中症になることがあるのは、体温調節機能が未熟なため、暑い環境の中では、体温が簡単に上昇してしまうことがあるのです。
2.炎天下の夏の昼間、買い物などでベビーカーに乗っている赤ちゃんは、地面からの放射熱により気温よりさらに高い温度にさらされています。
3.エアコンをかけていても、車の中に赤ちゃんを置き去りにするのは大変危険です。
エアコンが切れた車の中の温度は異常に上昇しています。
このような状況に置かれた場合は、大人より短時間で体温が上昇し、大量の汗をかいて脱水症になることは明らかです。
4.熱中症の初期症状は喉が渇くことですが、赤ちゃんはそれを訴えることができません。
このため、初期対応が遅れ、重症化する心配があります。
赤ちゃんの熱中症の症状は?
赤ちゃんが熱中症にかかると、以下のような症状になります。
◆初期症状
・ 顔が赤い
・ 抱っこすると体が熱っぽい
・ 元気がなく、なんとなく機嫌が悪い
・ いつもより母乳やミルクを欲しがる
・ おしっこの量が少ない
・ 汗をかかなくなる
このような症状が現れると、脱水症状に陥っている心配があります。
水分を与え、涼しいところに連れていくなどの処置をしてください。
このような初期症状が現れた時点で、すぐに適切な対応をすれば、熱中症が重症化するのを防ぐことができます。
◆危険な症状(すぐに病院に連れていくべき状況です)
・ 母乳やミルクを飲まない
・ ぐったりしている
・ 意識がもうろうとしている
・ 呼びかけても反応がない
・ けいれんを起こしている
これらの危険症状が見られたら、迷わずすぐに病院に連れて行ってください。
時間外の場合は、救急病院に行くか救急車を呼んでください。
赤ちゃんは大人よりも症状が進むのが早いので、一刻も早く対応しなければなりません。
熱中症を防ぐための対策は?
◆熱中症の予防
赤ちゃんの熱中症を予防するには、赤ちゃんが熱中症になる心配のある環境からできる限り遠ざけることです。
真夏の最も暑い時期は、赤ちゃんの健康を第一に考えてください。
それでも、外出しないわけにはいかないと思うので、そんな時は以下のことに気をつけてください。
1. 赤ちゃんを連れて外出するときは、一番暑い時間帯を避ける。
2.ベビーカーにシェードをかけるなどして、少しでも暑さをしのぐ対策をとる。
3.お母さんが暑い時は赤ちゃんはもっと暑いので、涼しいところに移動する。
4.こまめに水分を摂らせる。
乳児用の経口補水液が市販されているので、準備していってこまめに飲ませましょう。
室内にいても、熱中症の危険はあります。
赤ちゃんに快適な室温の設定は、夏は26~28℃と言われています。
赤ちゃんのいるところに温度計を置いて設定温度を管理しましょう。
屋外でも室内でも、赤ちゃんの様子は常に注意して見るようにしましょう。
早めに異常に気付くのが重症化を防ぐポイントになります。
◆熱中症が疑われるとき(初期症状)の対応
1.水分をこまめに(少しずつ、何度も)飲ませること。
2.保冷剤などをタオルなどで包んで「わきの下」「股の付け根」「くび」などを冷やす。
3.ぬるめのシャワーを浴びる。
まとめ
赤ちゃんは体温調節がうまくできないので熱中症になりやすく、なってしまった時は症状の進行が早いので、お母さんの対応がとても重要になります。
しっかりした知識をもって細心の注意を払い、赤ちゃんの様子を見守ることが大切です。
もしいつもと違う様子が見られたら、お母さんの処置で大丈夫なのか、すぐに病院に連れていくべきか判断して、すぐに対処をしましょう。