血糖値を下げる方法として確実に効果があるのは、「運動」と「食事」です。
ここでは、その二つの方法のうちの「運動」について解説していきます。
では、具体的にどのような運動がよいのか、また、どんなときに、どれぐらい行うと効果的なのかについて、詳しく解説します。
また、運動を行う際の注意点などについても説明します。
運動をするとどうして血糖値が下がるの?
血糖値を下げるのに効果的なのは、有酸素運動です。
有酸素運動とは、酸素を使って炭水化物(糖)からエネルギーを得る運動で、長時間続けることができる軽度から中程度の負荷がかかるものをいいます。
代表的なものには、ウォーキングやジョギング、水泳、縄跳び、サイクリングなどがあります。
これらは、深い呼吸で酸素をたっぷりとり入れながら、ゆっくりエネルギーを燃やす運動です。
これらの運動は、脂肪燃焼に加えて運動によって血中の糖分をエネルギーに変えるので、血糖値を下げることにつながります。
有酸素運動を行うと、エネルギーが大量に消費されます。
エネルギーになるのは血液中のブドウ糖ですが、これが消費されることで血糖値の上昇を防ぐことができるのです。
さらに、血糖値を調節するインスリンの働きがよくなり、ブドウ糖が細胞に取り込まれやすくなるため、血糖コントロール能力も改善されます。
有酸素運動で血糖値を下げる
有酸素運動の例としては、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどがあげられます。
これらの運動は、血糖値をダイレクトに下げる効果があります。
1.お勧めはウォーキングなどの軽い有酸素運動
いきなりランニングをせずに、まずはウォーキングから始めてみましょう。
しばらくウォーキングを続けて膝や腰などに支障がなければ、軽いランニングを始めてもいいでしょう。
ただし、始めから無理をせずに、少し物足りないくらいのペースで走ってください。
無理をすると、膝や足首、腰などを痛める場合があるので注意してください。
2.膝、腰などに不安があるなら、エアロバイクや水中ウォーキング
高齢者の方など、歩くのがつらいという方は、水中ウォーキングがお勧めです。
水中では浮力によって足腰への負担が軽くなる上に、水の抵抗があるので、ちょっとした動きでも充分な運動になります。
3.運動の頻度、時間
週に3日~5日、1日あたり30分程度から始めれば充分です。
無理のない範囲で継続することが血糖値を下げるためのカギとなります。
時間や回数を増やせば効果はさらに上がりますが、無理をして体のどこかに支障が出ては逆効果になってしまいます。
様子を見ながら、決して無理をせずに楽しんで行ってください。
最も大切なのは、続けることです。
無理なく続けられるペースを守ってください。
運動を行う際のポイント・注意点
1.血糖値を下げるには、食後30分~1時間あけて有酸素運動を始めるのが効果的
食後は血糖値が急激に上昇しますが、運動することで血糖値を速やかに下げることができるのです。
ただし、食後すぐは血液が胃に集まっていて、心臓の血液量が少なくなっています。
いきなり激しく動くと心筋梗塞のリスクを高めてしまうため、運動は食事をしてから30分~1時間後くらいに行うのが理想です。
2.朝に運動をする場合は、運動の前に必ず水分を摂る
朝起きた直後は血液がドロドロの状態です。
水分摂取をしないまま運動すると心筋梗塞を引き起こす可能性が高まるので、注意しましょう。
3.運動をするとリスクを伴う場合は医師に相談
適度な運動は血糖値を低くするために効果的ですが、以下の場合は、運動の強度や種類を制限したり、運動そのものを禁止することが必要になるケースもあります。
・糖尿病の合併症が進行している場合
・他の病気がある場合
これらに該当すると思われる場合、または何か不安がある場合は、運動を始める前に担当医師に確認し、指示を仰ぎましょう。
まとめ
血糖値を下げるには、負荷が軽くて継続が苦にならないくらいの有酸素運動が有効です。
そのくらいの負荷の運動で十分、まずは適度な運動を習慣化することが大切で、ハードな運動をする必要はないのです。
それが分かれば、そんなに負担を感じないで運動を始められますね。
ただし、病状によっては運動することによって健康状態が悪くなる場合もあるので、運動を始める前にはメディカルチェックを受けることをおすすめします。
まずはできることから一歩を踏み出しましょう。