子供の風邪の診断と治療で気をつけることは?いつ受診するべきかについても説明します

b0c0855a0421ce571e7f5e4fa331fff0_s
スポンサードリンク

お子さんが風邪をひいたかなと思ったら、どんな対応をしますか。

お子さんが風邪の疑いがある場合、身近な大人が様子を見ていて、病院に連れていくかどうかを判断しなくてはいけません。

自分の状況をうまく伝えられない小さなお子さんなら、なおさら難しいですね。

どんな症状なら様子を見ていていいか、どんな状態になれば医師の診察が必要かの見極めは難しいところです。

ここでは、風邪とはどんな状態のことをいう?風邪の診断は?風邪の治療は?の3つの項目について説明します。

スポンサードリンク
 

 

風邪とはどんな状態のことをいう?

普段よく「風邪」と言っているのは、正式には「急性上気道炎」と呼ばれ、上気道に炎症が起こっている状態のことを指します。

(上気道とは鼻やのど、声帯までのことを指します)

(注)下気道(気管支や肺)に感染が起こっている気管支炎や肺炎はかぜに含まないとされています。

◆風邪の原因は?

 主な原因はウイルスによる感染で、ウイルスには抗生物質(抗菌薬、抗生剤)が効きません。

 したがって、ほとんどの場合で、抗生物質を使用しても原因となるウイルスをやっつけることはできません。

◆風邪の主な症状は?

感染すると、1~3日後に鼻やのどに症状が出始めます。
 
 症状が現れる順番としては、のどと鼻の間がチクチクする感じから始まり、鼻水・鼻づまりが続きます。

 発熱や頭痛が現れることもありますが、程度は強くありません。

 ほとんどの場合は、2~3日で症状のピークを迎えて、約1週間続きます。

 そのうち約10%が2週間続きます。

◆風邪がはやるのはいつごろ?

 年間を通してみられますが、多いのは初秋から晩春にかけてです。

◆子どもはどのくらいの頻度で風邪をひく?

 ・幼児は1年間に平均6-7回、多い子では1年間に12回以上かぜをひく子もいる

 ・最も風邪をひく確率が高いのは、生後1年以内に集団生活を始めた乳幼児

  うちの子供は、保育園時代、風邪をひくとよく高熱が出て、同時に喘息にもなっていたので、1年のうち1/3から1/4はお休みしていました。

詳しくはこちら

お子さんがよく熱を出しませんか?病弱だった息子が元気になった体験談をお話します

風邪の診断は?

◆発熱とは何℃から?

発熱とは、何度以上のことをいうのでしょうか?

統一された基準はありませんが、だいたい37.5度以上を発熱と考えるのが一般的です。

発熱に関して注意しなければならないのは、熱が出る原因はかぜばかりではないということです。

風邪以外の重要な病気が隠れている場合があります。

それらを見つける基準になるのが、「発熱の4日ルール」です。

◆受診する必要がある状態とは?

 風邪の診断には検査は必要でないことが多く、検査よりも病気の経過や症状を正しく把握することのほうが大切です。

 前述した「発熱の4日ルール」とは、かぜによる熱はふつう3~4日で解熱するので、4日以上熱が続くときには肺炎や他の病気ではないかと疑い始めるということです。

 つまり、受診しなければならないタイミングは、特に症状の悪化などがなければ、4日待って熱が下がらないときです。

◆診察を受けたらその後はどうなる? 

 熱が続いたり、風邪とは考えられない症状が現れたときには、他の病気を疑わなければならないこともあります。

 そんな時は、他に病気が隠れていないかを確認するために、検査をします。

 1.血液検査

 ○血液検査の目的は、以下の3つになります。

 (1)隠れている病気がないかどうかを調べるため

 (2)病気の重症度やなおり具合を判定するため

 (3)病気が治った後の状態を判定するため 

 ○血液検査からわかること

  ・白血球数

  熱が出ている時に白血球数が増えていれば、まず第一に細菌感染症が疑われます。

  かぜはウィルス感染で起こることが多く、ウィルス感染症ではふつうは白血球数は増加しません。

  しかし、かぜがこじれて細菌感染症を併発すると白血球数が増加してきます。

  一般には白血球数が増加が急激なほど炎症が強いことを意味し、病気としては重症であることを意味します。

  ・CRPと血沈 

  炎症があるかどうかを知るもっとも一般的な検査はCRPと血沈で、炎症があると上昇してきます。

  このなかでCRPは変動幅が大きく、病気になるとほぼ一日以内に数倍にも増加します。

  CRPが陽性・増加を示す場合には、身体のどこかに炎症があると考えられるため、原因となる病気を見つけるてがかりになります。

  血沈は、炎症や悪性腫瘍など、白血病などがあると増加していきます。

 2. 胸部レントゲン

  胸部レントゲンは発熱時にはいろいろな情報を与えてくれるため、重要な検査です。

  せきが多く、発熱が続くときには肺炎を疑っていく必要があります。

  肺に影が見えると肺炎ということがわかります。

 3. 咳

 検査ではありませんが、咳の症状があれば肺炎を疑うというのが一般的な考え方です。

 ただし、咳が少ない肺炎もあるので、咳が出ていないから肺炎ではないと言い切ることはできません。

 
検査結果だけではなく、お母さんが話すお子さんの様子や症状なども重要な判断基準になります。

問診のときには正確に病状の経過を伝えられるよう、時間を追って症状のメモをとっておくことが大事です。

風邪の治療は?

◆基本的には風邪の治療は不要

ほとんどの場合、風邪は治療を行わなくても治ります。

しかし、症状が強いときは症状を和らげるための治療(解熱薬、咳止め、鼻水止めなど)を行います。

また、安静にしていられない事情がある場合も、症状を和らげるために同じ治療をすることがあります。

◆家庭でできる治療法

風邪は、自然に治るものなので、その助けをするために以下のことを心がけましょう。

・安静にする

・十分に水分を摂らせる

・消化がよく栄養価が高い食事を摂らせる

◆子供に対する治療で注意すること

子供は、大人と比べると、熱があっても案外元気なものです。

熱があっても元気で食欲があれば、無理に解熱剤で熱を下げる必要はありません。

かぜで熱が出るのは体がウイルスと戦っている証拠なので、完全に平熱まで下げるのは不可能で、また意味がありません。

・子供に対する解熱剤の使い方

 解熱剤はあくまでも一時的に熱を下げるものです。

 一時的に熱を下げることで体力を回復させ、水分や食事が摂れるようになることが目的です。

 解熱剤を使うかどうかは、熱の高低ではなく、本人の状態を見て判断してください。

 例えば、39℃でも比較的元気で水分・食事がしっかりとれていれば無理に使う必要はありません。

 しかし、38℃でもぐったりして水分がとれないようであれば、積極的に使うようにします。

 38~39℃の高熱が続くと、普段元気な子供でも体力を奪われてぐったりしてくることが多いものです。

 身近にいる大人が子供の様子をよく見ていてあげてください。

・のどの痛みを緩和する薬を飲ませる必要がある場合

 のどの痛みがひどいと、水分や食べ物を飲み込みにくくなります。

 食べられないと体力が落ち、自然治癒のためにマイナスになるので、できるだけ早く食べられるように薬を飲ませます。

 

まとめ

お子さんが熱を出すと、お母さんは心配になりますね。

特に、うちの息子のようによく熱を出すお子さんの場合は、余計に心配なことと思います。

お子さんが熱を出したときには

・基本的には4日間様子を見て、熱が続くようなら小児科を受診する。

・4日間様子を見るうちに、お子さんがいつもの元気がないと感じたらすぐに受診する。

大事なことは、お子さんの様子をよく見てあげて、おかしいと思うことがあればすぐに小児科を受診するようにしましょう。

基本的な対応の仕方が分かっていれば、余計な心配をしなくて済みます。

お母さんが落ち着いていればお子さんも安心します。

おおらかな気持ちでお子さんを見守ってあげましょう。

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする